トランペットの魅力・やってて良かったこと、また苦労したこと

今、吹奏楽への入部を検討している方!もしくは入部していよいよパートを決めるぞ!という段階の方。

トランペットはいかがでしょうか。このページではこれから吹奏楽部で楽器を始める方向けにトランペットで良かったこと、苦労したことをご紹介します。

ちなみに私のトランペット歴は、中学、高校、大学、一般で合わせて9年強です。

トランペットの楽しいところ、良かったこと

演奏編

トランペットを狙っている方はその音色や目立つ度合い、またメロディをたくさん吹けるという点に注目している方も多いでしょう。私も中学1年生のパート選びの頃はそうでした。

そして、その審美眼はお見事と言わざるを得ません。

楽器の特徴、特性、パートとしてのおいしさ

トランペットはメロディを吹くことが多いパートです。バンド全体をリードする推進力のある音色には歯切れがあり、お客さんのハートを鷲掴みにすることができます。

また、中~高音域を担当するため、小回りも利きやすいです。「小回りが利く」とは細かく素早いフィンガリング(指回し)を求められるパッセージ(メロディの中の小さなひとまとまり)も演奏できる、と理解してください。

それ以外にも繊細なブレスコントロール(息遣い)による華麗なリップスラー(運指を変えずに音程を変える)もできますし、かと思えば大迫力のダイナミックなファンファーレを奏でることもあります。

ホールを突き抜けるような勢いで客の心を射抜くのはトランペットの醍醐味と言っても過言ではないでしょう。少し汚い表現かもしれませんが、音を思いっきり「ぶっ放す感覚」は他のパートでは味わえません。

しかし、大きい音が出せるからこそ、力任せに吹いてしまい音色が汚くなったり余計な力が入ったり、というのもトランぺッターあるあるです。

気を付けながら音色を磨いていきたいですね。

トランペットソロを用意している楽曲が多い、というのもトランペットをオススメしたい理由のひとつです。もちろんどのパートにもソロはありますし、統計をとったわけではないけれど、体感としてトランペットはソロが多いです。

ソロを吹くときっていうのは間違いなく自分がその演奏の中心なので最高に気持ちいいんです。なんだか自分じゃないみたいに気分が高揚する・・・いや、それが本当の自分なのかもしれません。

パートやアンサンブル、セクションでも熱い!

ここまでは楽器の特性・特徴や個人でおいしい!ということを話してきましたが、もちろんパートとしての旨味もあります。

世にある楽曲の中にはトランペット&トロンボーンのファンファーレから始まる曲が多数ありますし、トランペットのソリ(ソロのパートバージョン)に出会うこともあります。フィリップスパークのメリーゴーランドやC.T.スミスのルイブルジョワ―の賛歌による変奏曲の中間部はとてもいいですね。(ルイブルジョワーはソロもめちゃくちゃ美味しい)

↑メリーゴーランド。トランペットソリは0:25~0:52

↑ルイブルジョワ―の賛歌による変奏曲ソロは6:08から。ソリは7:13から7:52辺りまで。

トランペット「パート」としてのレベルが高いと筋の通った一本槍のようにバンドにとって強い武器になります。

各パートが上手ければうまいほどいいのは間違いないけれど、トランペットがしっかりしているとそれだけで聴き終わった後の印象として「力強い演奏だった」「聴きごたえがあった」という感想をもちやすいです。(その逆も然り)
(個人的には低音パートのレベルが高い演奏もポイントが高い)

アンサンブルでもその特性は発揮されます。金管八重奏や五重奏、木管や打楽器を加わる混合重奏では音楽の核として皆を引っ張ることができるし、もちろんそれだけではなく他パートが前に出る際のサポーターとしての役割を担うこともできます。

類似楽器もあります♪

トランペットには「姉妹楽器」とでも言いましょうか、トランペットを吹けるなら異なる楽器だけどこれを吹けるも同然、という楽器が存在します。

コルネットやフリューゲルホルン、ピッコロトランペットがこれですね。また、トランペットではB♭管を多く見ますが、C管でもEs管でもF管でも吹くことはできます。
(だいたいどのパートにも姉妹的な楽器はあります。)

ある程度規模の大きいバンドでないとそこまで楽器は揃っていないかもしれませんが、似たような見た目をしていてもそれぞれに少しずつ異なる特徴があります。いろんな類似楽器に触れてその特徴を味わってみる、というのも楽しみ方の1つです。

例えば、コルネットはトランペットよりも音色がまろやかで柔らかいです。フリューゲルホルンになるととても朗らかで名前の通りホルンに近い音色をだせます。

小ネタ・子ワザも豊富

最後に、トランペットは子ワザも豊富です!

馬の鳴き真似や赤ん坊の泣き声もできます。またラッパのマークやパズーのテーマなど一般人に耳馴染みの深いメロディもたくさんありますね。

学校に限定した話をすると、トランペットの音色は「放課後っぽさ」を演出するのにももってこいです。同じフレーズを何度も練習する音や音階が聴こえてくるのはドラマやアニメ、映画でも「放課後の演出」として使われることがあります。

それもこれも、「遠くからでも音が十分に聞こえる」という特徴があるから。(まぁどのパートでも聞こえるっちゃ聴こえるんですが。体感ではクラリネット、トロンボーン、トランペットが放課後演出に使われるのが多い・・気がする。)

演奏以外編

ここまでは演奏に関する話をしてきました。「トランペットを担当する」と一言に言っても演奏時はもちろん、楽器を吹いていない時間も含まれます。

まず、トランペットは組み立て・片付けがとても簡単というメリットがあります。 「トランペットはギリギリまで練習しろ!お前ら一瞬で片づけられるだろ!」と言われたこともあるくらいです。逆に木管楽器はそうはいきません。水分を拭き取ったり磨いたり、いろいろ大変です。

また持ち運びに関しても「大きすぎない」というのは強みです。トロンボーンやユーフォ以上になると背負うにしても手で持つにしても体積をとりますが、トランペットはまだ通常のリュックに近いサイズです。フルートやクラリネットほどの小ささはありませんが、十分です。セミハードケースはちょうどいいサイズ感です

正直、中学・高校のころはサイズのありがたみを感じませんでしたが、大学生になり自分で持ち運ぶことが増えると感じるようになりました。

あとは値段ですね。ピンキリではありますが、それなりにいいものを買うなら20万程度をみておいてください。パートによっては40~70万ほどのものもありますので、20万程度なら御の字・・・と捉えましょう。

トランペットで苦労したこと

良い点ばかりをあげてきました。が、もちろんそれだけではありません。苦労もたくさんあります。光があるところには同時に影もあるものです。

演奏編

メリット編では「音が大きくて目立てるよ!」「メロディが吹けて楽しいよ!」ということを話してきました。たしかにそれはそうなんですが、未熟なうちはいずれも上手に吹きこなすことができなくて下手さばかりが目立つんですよ。

芸人の山田花子さんのトランペットみたいなのを想像してもらえるといいと思います。

汚い音色が大きいっていうのは聴いてる側にとっては不愉快ですね。でもこの過程が綺麗な音色や抜群の安定感につながるので、乗り越えるしかありません。

また、ある程度上達するまではとにかく音を外しがちです。狙った音をピンポイントで当てるのは難しいんです。

トランペットをまだよく知らない、という方のために、少し解説をしますと、トランペットは解放の運指(ピストンをどれも押さない)で↓これだけの音が出せるんです。

これだけの音が同じ運指で出るのにどうやって出したい音を出すのか?というと繊細なブレスコントロールと柔軟性の高いアンブシュア(演奏時の唇の形)で正確に狙うんです。ただこれが難しいっ!慣れないうちはとにかく外しがち。↓こんなふうになることがあります。 解消するには場数を踏んで踏んで踏みまくって経験を積むのが一番です。

「目立つ」っていうのは諸刃の剣なんですね。ミスや音程の悪さもダイレクトにお客さんに伝わってしまいます。そこが醍醐味、面白みだと言えば聞こえはいいですが、なかなかに苦労を強いられます。頑張りましょう。

演奏以外編

苦労、というほどでもありませんが、メリット編では片付けが簡単♪という話をしました。その分、楽器運搬に駆り出されることが多かったですね。もちろん、部のシステムによってその辺りは異なるでしょうけれども。

あと、ハイトーンを力任せに吹く習慣がついてしまうと恐ろしいことが起こるので教えておきます。私は一時期かなりのテンション(圧力)で楽器を唇に押さえつけて吹いていたんですが、その結果、前歯を指でつまむと少し動かせるようになっていました。微動ですが本来はガッチリ歯茎に固定されているもののはずです。

トランペットに求められること

トランペットはハイトーンをどこまで外さずに吹けるかが、ひとつのステータスと言ってもいいくらい求められます。しかし、大切なのは音が出せるかどうかではありません。その音が綺麗かどうかです。

出せるのは当たり前、その上でいかにハイクオリティであれるかに焦点を当ててください。

いつも真に求められているのは音域に関わらず音色がどれだけ綺麗か、どれだけ美しいか、どれだけ洗練されているかです。綺麗な音色はパートに関係なくそれだけで人の心を打ちます。

いろんな機会で楽器の音を聞くことがあると思いますが、その音色の綺麗さに注意を払ってみてください。

自分がトランペットで不安だ、という方へ

トランペットはバンドの花形であり、全体の顔の部分を担うという点でおいしいはずであるのに、その点が逆に不安だ、という方もいるかもしれません。練習して上達すればいいのは分かるが気持ちの面で自分に適性はあるだろうか・・・そんな心配をしてしまう方もきっといるだろうかと思います。

でもですね、全く大丈夫です。パートに限らず、世の中どこにいってもどんな人もいるもので、私が出会ってきたトランぺッターの方にも演奏面で割と弱気な方やおとなしくて静かな性格の方もいました。

みんながみんなソロをやりたがり毎回争奪戦になるというわけではなく、やりたい人もいればやりたくない人もいるものです。トランペットパートはだいたいの曲で1st,2nd,3rdの3パートがありますが、1stをあまりやりたがらない人もいました(1stが一番目立ちます)。

個人ですべてを担おうとはしなくていいので、大丈夫です。パートのみんなが揃ってのトランペットですので、目立ちたがりでなくてもバンドを牽引していく気持ちが強くなくても少々音色の歯切れが悪くても大丈夫です。

自分で足りないと思うところは練習し補い、気持ちの面で弱さを感じるところはパートのみんなと分かち合い支えあえばいいんです。それが複数人~大勢で一緒に演奏する吹奏楽の醍醐味でもありますから!

おわりに

この記事を読んで、よりトランペットを吹きたくなってその気持ちを、士気を高めた人がいるかもしれません。しかし、現実としてトランペットではないパートを担当する未来もあるかもしれません。

そのときは、落胆せずに希望をもってください。

かくいう私も本当はサックスが吹きたかったんです。もっというと木管を希望していました。ですが、トランペットになりいろいろあってこうして記事を書くに至っています。

どのパートになろうと楽しいポイントは用意されていますし、そのパートになったということはそこで発揮できる能力や魅力があなたにある、ということです。どのパートになっても自信をもって楽器と向き合ってください。楽しいですから。

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