ミサミサの2019課題曲Ⅰ「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲解説!#3

ミサ

年齢不詳。どこかの学校で吹奏楽を教えているらしい・・・?楽器の練習に関して性の方面からアプローチする第一人者。バチェラーが好き。

今回はその3よ!

はい、というわけで、2019年の課題曲Ⅰ
解説の続きをお送りします。

初めての方は↓こちらね。

今回も楽譜を片手にお願いします。

譜例は載せられないのよ。

練習番号F(81小節目~)

FとGは前半部分のクライマックスですね。音量指定的にはFがフォルテでGがフォルテシモです。

じゃあFはGに入る前の助走的な意味合いね。Eまでに作り上げてきた勢いや雰囲気を壊さずに維持したまま展開させていきなさい!

どんな注意点がありますか?

ここにきて基本の基本だけど、縦を合わせるって言うの、しっかりやりなさいね。

それはいわれなくても分ってますよ。

な・・・!縦を合わせるって言うのはただ文字通りタイミングを合わせるってことじゃないのよ。パート単位で聴いたらしっかりできてるのにいざ合奏になるとなぜだかゴチャゴチャする、すっきりしないってことあるでしょ?

それは確かにあります。

そういうのはね、音程があってないせいで一音一音がぼやけて聴こえるとか、バンドとしての音色に統一感がないからピンボケしたみたいな演奏になるとかなにか原因があるの。そういうのもすべてひっくるめての縦を合わせなさい、よ!

最初からそう言ってくださいよ。

だまらっしゃい!

85小節目の音型はどれくらい主張するのかというのもバンドのカラーの出しどころね。タラタ、タラタのところ。

ここはいろいろ試行錯誤できそうですね。

ええ、アクセントをどれくらい主張するか?とかスラーの後ろの音はどれくらい丸めるか?とかで音楽の印象も大違いね。薄味の演奏にするかアクの濃い演奏にするかはあなた次第!

他はなにかありますか?

アクセントがついてる付点4分音符って後ろの方を抜いて短くなりがちだけど、そういうのは時と場合を見極めてやりなさいね。

といいますと?

練習番号Fの最後の付点4分なんかはGにつなげる意味合いが大きいのよね。だから曲中のどの場所にある音かを考えて音価(音の長さ)を決めなさいねって話よ。

ありがとうございます。Gいきます。

練習番号G(87小節目~)

Gです。Gのポイントはどこですか?

Gはあそこしかないでしょ~。

91小節目ですか?

ビンゴよ!ベルトーンね!

ベルトーンと言いつつ1パートで4つの音を担当してるところもあるんですね。

そうね。ピッコロ、オーボエ、エスクラ、アルトなんかはそれね。

ということはクラリネットとトランペットですね。ベルトーン。

これ、難しいけど結構楽しいのよね~。

そうですね、音型、音量、勢いを合わせて違和感なくお届けしたいです。

練習のときはゆっくりからするといいわ。あとは誰がどの音を担当するか、というところはじっくり練りなさいね。

他は何がありますか?

練習番号Gは結構ハッスルしちゃうけど、とにかく綺麗な音色を心がけること。音楽の美しい体裁を保ったままHに入りなさい。

ソロはどうです?

あ、ここファゴットとユーフォでやってるのね。スコア見るまでマジでわかんなかったわ。ここは二人でしっかりと合わせてきてほしいわね。

あとは合奏時のセッティングも近いところにおいてもいいかもね。ファゴットとユーフォ。ファゴッフォ。

練習番号H(102小節目~)

Hまで来ました!

ここまでは「合奏」で来たんだけど、ここはアンサンブルね。あとはテンポが76の指定だから(これ割とマジで)一度深呼吸をしてほしいわ。

深呼吸ですか?

そうよ。中高生に割と見るけど、ここまでの勢いを引きづったままこのローテンポの雰囲気を演出しようとするのよね。

そうするとどうなるんですか?

なんかね、変な感じになるのよ。音楽は落ち着いてるんだけど、伝わってくるものはイケイケの雰囲気で。

へ~・・・切り替えが大事なんですね。

そういうことよ。

あと後半に木管の細かい音符が増えてくるけど、テンポに正確に合わせて吹きなさいね。特に最後1小節!クレシェンドも絡んでくると勝手に指が走りがちだからグッとこらえるように!

はいぃ!Iはいります!

練習番号I(110小節目~)

Iです。壮大になってきました。

そうね、ここは表現できるものをより大きく魅せるように意識しなさい。実際の奏法としては口の中の体積を深く大きくとって吹くように心がけるとか、温かい息遣いをするというようなテクニックがあるわ。

おー具体的なアドバイスでましたね。

だまらっしゃい!あなた時々失礼ね!

あとはなにかありますか?

ここに限らないけど自分の立ち位置を理解して吹くことね。「壮大に吹くぞ」って役割の違う全員が思って吹いたらしっちゃかめっちゃかになるからね。自分の役割に合った意識が大切よ。

例えばどんなのですか?

メロディだったら「主役だぞー」とか、伴奏だったら「支えるぞー」とかよ。

小学生レベルの意識ですね。

だまらっしゃい!

メロディの中で3連符があると思うけど、これはたっぷり吹きなさいね。少しいやらしいくらい主張した方がメロディの抑揚として機能するわ。

このパートが終われるとまたテンポが戻るんですね。

そうよ、だから終盤は別れを告げるように哀愁を感じながら吹くのよ。サックス、オーボエのソロはどこか儚く・・・ね。この曲『幻想曲』だからこういうところで幻感出してほしいのよ。

まぼろし感ってなんですか。まぼろし感って。

練習番号J(120小節目~)

Jです!

Jは打楽器アンサンブルね。管も吹いてるけど、雰囲気を作ってるのは打楽器よ。

そういやJからまた8分の6に戻るんですね。

そうそう、だから管楽器の人たちは打楽器の音を聴いて「タッタタッタ」のリズムを自分の中に取り戻すのよ。

珍しく低音のメロディです。

シックよね~。シックな大人の雰囲気。これもまた幻想・・・かしら。

何言ってんですか。

130小節目からは一気にくるわね。ここは一発で大きな音を出せる機動力を磨いておいてほしいわ。ここからの音楽の立ち上がりだからね。

分かりました!いきなりffですもんね!

K入ります!大本命!K!

あ、待った!129小節目のティンパニ!これメチャクチャ重要よ。

全パートが入る前の一瞬の一発ですよね。

そうよ。これ、合奏でくどいくらい練習してほしい!てかしなさい!

つづく

次で最後です!

続くわよ~やるわよ~

ミサ

年齢不詳。どこかの学校で吹奏楽を教えているらしい・・・?楽器の練習に関して性の方面からアプローチする第一人者。バチェラーが好き。

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