コンクール前のホール練習!事前準備から必ずやること~上手な活用法まで!

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このサイトの企画、制作、保守全般を担当。 音楽略歴:トランペット10年、ピアノ2年 音楽やってる人を応援したい。

コンクール前に欠かせない練習といえばズバリ、ホール練習でしょう。

普段の音楽室や練習場とは異なる響き、環境、周りとの距離感、目に映る客席、舞台袖の緊張感、何から何までいつもとは違い実際の本番を意識した練習ができるのがホール練習の特徴です。

もちろん、決して安くはないお金もかかっているでしょう。

だからこそ、一切の無駄を省き効率的で良質な練習をしたいものです。

このページではホール練習を無駄にしないためにやるべきこと、上手な活用法などをお伝えします。

事前準備 当日やることの確認・計画・共有

ホール練習はとにもかくにも時間との戦いです。 事前にスケジュールをきっちりと立て、極力それに沿って練習を進められるように準備をしましょう。

絶対に避けねばならないことが、ホールだからこそできる練習を消化しきれずに片づけの時間を迎えてしまう・・・というケースです。

ではホールで絶対にしておきたい練習・確認事項とは?・・・は後の章で説明します。

これらを事前に整理し共有、優先順位をつけて練習時に消化していけるように用意してください。 スケジュールが決まれば役割分担も大切ですね。

というのもほとんどの団体がホーム(学校やよく使う練習場)から打楽器の運搬を行った後にホールに移動という流れだと思います。

そしてホールに着けばひな壇や椅子、譜面台がすでに整っているということはなく、すべて自分たちで(ホールの方の力も借りつつ)準備をすることになります。

もちろん、舞台上の準備だけではなく運ばれてきた打楽器の積み下ろし、組み立てもあります。

さらには自分の担当楽器をケースから出し、音出し、チューニング、フォームアップ・・・とやることが盛りだくさんです。

これらのことが行き当たりばったりになれば大幅に時間をロスすることになりますから、それぞれの役割を明確に決め、スケジュール(タイムテーブル)を立て、素早く行動するようにしましょう。

ちなみに一般バンドの場合は(もちろん団体によりますが)、割と各自の都合で動く印象が強いです。

仕事等で途中参加ということもありますし、趣味でやっている部分も強いですから、ストレスになるのは良くないというのが無意識にあるのでしょう。

スクールバンド色の強い団体ならキチキチしているところもあるかもしれませんが、結構個々に任される感じですね。だいたいみなさん勝手は分かっていますし。

舞台セッティングの検討、試奏、導線

事前の打ち合わせ、スケジュールの共有等ができたらいよいよホール練習当日です。

やることは盛りだくさんですが、まずは何を差し置いても時間をかけてベストを測りたいのが舞台セッティングですね。

舞台セッティングとは舞台上の各パートの配置のことです。

基本的には木管が前、金管が後ろ~ひな壇、打楽器がサイドorひな壇というケースですが・・・

  • ・オーボエは前方?それとも中央の方?
  • ・ホルンはひな壇上段?下段?それとも降ろす?
  • ・打楽器はひな壇に乗せる?サイドにする?

などなど、考え出せばキリがないくらい組み合わせは幾通りもあります。

これは音楽室や練習室ではできない

  • ・反響版があり、
  • ・ひな壇があり、
  • ・客席があり、舞台・客席の長い奥行きがある

からこそできる練習です。
必ず時間をとり、納得がいくまで試行錯誤して最適なセッティングを見つけましょう。

どのように配置するかでホールへの響きや客席の聴こえ方は全く異なります。

舞台セッティング検討のやり方ですが、なにも奏者一人一人が舞台上であーでもないこーでもないと言いながら席を替えてやるわけではありません。

代表(指揮者)一人が客席から指示を出しては演奏、また少し席を替えて演奏。これの繰り返しです。

各パートの配置が決まればいよいよ舞台セッティングは完了ですが、細かいところまで突き詰めるならパート内のパート順(1st,2nd,3rd等)にも気を払ってください。

通常、ホルンパートは舞台中央が1stで反響版側が4thですが、2000年代まで少人数で楽器の持ち替えを駆使して全国大会まで上り詰めていた京都の洛南高校は逆の配置にしていました。

直管楽器の場合は深く考えない部分でも、反響版の力を借りてサウンドを作るパートはそこまで考えてみるのも面白いです。

ドラムセットを使う団体が舞台中央に配置するケースもありますが、これはテンポを作る役割のため、もっとも奏者全員に同じテンポ感を共有できる配置だからですね。

などなど、普段のコンサートではそこまで凝らない部分もコンクールとなると吟味に吟味を重ね最適解のセッティングを模索しましょう。

また舞台セッティングを考えるときの注意として、演奏途中にパート間の持ち替えをする場合は導線もしっかり考えておきましょう。

本番のときに少し椅子をずらす程度と思っていると思わぬところに他パートのスタンドが置いてあったり、思いのほか通路が狭かったりと苦労することがあり得ます。

どこを移動するのかまでしっかりと検討してください。

ここまで、舞台セッティングについて説明しましたが、特に学校の吹奏楽部顧問としてやっている先生の中には「セッティングによる音響差を判断できない!」という人もいるかもしれません。

そういうときは外部指導者に頼りましょう。

あなたの地域で上位大会まで駒を進める指導力を持った人は必ずいるでしょう。

その人にアポを取り協力を仰ぎましょう。最悪、経験のある人、ある程度判断できる人を探して力を借りましょう(あくまで自分一人では無理という場合のみ)

起立、構え、動き、譜面台、距離感、ベル向き

次は演奏前後の動きについても細かく打ち合わせをしておいてください。

演奏開始前の楽器の位置、演奏中の構え、ベルの高さ、向き、パート間・個人間の椅子の距離、譜面台の高さ、演奏終了後の起立のタイミング、楽器の構えですね。

細かく打ち合わせてくる団体であれば、演奏開始前の表情や顔の向き、髪型まで合わせてきます。

これらは演奏に直接関係ない部分もありますが、やはり不特定多数のお客さんに見てもらう立場として徹底して練習がされていると好感がもてます。

特に舞台袖から入ってきた瞬間から堂々とした立ち振る舞いをする団体には演奏前から期待をしてしまいます。無意識のうちに「聴きたい!」という気持ちにさせられますね。

練習は演奏ばかりになりがちですが、それ以外の部分もしっかりシミュレートしておきましょう。

個人間の距離もしっかりホール練習の時点で覚えておいてください。

コンクールの舞台を見ているとたまに「そこ距離近くない?」というセッティングを見かけます。

もちろん、当日の舞台でも指揮者やそれに準じる人が演奏開始までに適切に指示ができるといいですが、何が起こるかわからないのが本番ですから、不安やリスクの芽はホール練習でしっかりと摘んでおきましょう

細かい部分は案外気になるものです。

本番を想定してのリハーサル

ここまで出来れば本番を想定した練習、いわゆるリハーサルですね。これもやっておいてください。

というのもコンクールの本番前には必ず空調の効いた涼しい空間(舞台袖)で約15分間の待機を強いられます。

チューニング室や小ホール等、本番前の音出し時間にチューニングを合わせ楽器を温めてきましたが、演奏の直前にそれを狂わす(!?)環境に身をおかねばなりません。

それを味わうのが本番が初めてというのでは心許ないですね。

それからリハーサル時は流れだけでなく、衣装も本番のものを着るようにしましょう。

夏の練習の場合、普段はジャージや身軽な服であることが多いですが、本番衣装となると首元が意外に締まってたり、楽器を構えるだけでも若干の抵抗を感じるかもしれません。

これも慣れておかないと苦労します。本番は照明も結構熱いので汗をかくことも覚悟しておきましょう。

涼しい顔で演奏できればそれが一番ですが、なかなかそうはいきません。

リハーサルでどんなものか経験しておき、本番でも落ち着いて行動できるようにしましょう。

舞台袖は意外にハプニングが起こるものでして、その典型的なものが楽器の故障ですね。

仲間と会話したり握手したり、緊張をほぐすのももちろん必要ですが、楽器を守ることも意識しておいてください。

そしてリハーサルをした後は反省点を挙げ、問題があれば対策を打っておきましょう。

ホール練習あるある

せっかくなので、ホール練習あるある集めてみました。アンケートをとりました。

  • ・楽器運搬で練習前にへとへとになる。
  • ・序盤で張り切りすぎてスタミナきれがち
  • ・譜面台がいつものより豪華でテンションがあがる
  • ・譜面台がいつもと違うから高さの調節に迷う
  • ・いつもより下手に聴こえて愕然とする。
  • ・先生の指導が熱くなってきてちょっと引く
  • ・普段の練習より隣の人が遠いので寂しい
  • ・休憩時間でもやたら舞台で練習しがち
  • ・普段の練習場に戻りたくなくなる
  • ・演奏中に指揮者が式台から客席に移動しがち
  • ・ホールスタッフの人に励まされがち
  • ・ここぞとばかりに入退場の練習しがち
  • ・小物を学校・ホームに忘れがち
  • ・睡魔との戦い
  • ・反響版のおかげでホルンの勢力増しがち
  • ・先生が下手から指揮台到着、指揮棒を構えるところまでの一連の流れをプロぶってやりがち。
  • ・トランペット・トロンボーンのベルアップのかっこよさがいつもの3割増し
  • ・ギリギリまで練習して片づけで焦りがち
  • ・練習が上手く行かないと部長に「ここ借りるのに○○万かかったのになんとかかんとか」と嫌みをいわれる
  • ・ホールを利用しすぎて、もはや自分たちの庭
  • ・本番の衣装で通すと普段より吹きにくいと感じる
  • ・なんだかんだでホール練は好き

あるあるの他に、一般バンドの方でしょうか、辛い現実の声も聞こえました。

40代 女性 クラリネット約15年 指揮者やパートリーダーなどからはホール練習したいと言われるが、団体運営側としてはホールを確保するのがとにかく大変。半年前から抽選にあちこち行ったり、費用もかかったりする。 一番の目的は全体のバランスを見たり、本番さながらのリハーサルをしたりなので、当日使用する楽器を勢ぞろいさせるので、トラ団員も呼んだり、普段使わない楽器も運搬したり、とにかく体力や気力も必要。 そんなに準備したのに、肝心の団員が揃わない時は本当にがっくりくる。
40代 女性 クラリネット20年 せっかく場所が取れ実際のホールで練習出来るのはありがたいですが、予算の関係でクーラーつけず暑いです。下手くそすぎて流石に商売の音響さんに、苦笑いと指導を受けました。

人が揃わない」というのは本当に一般バンドあるあるですね。 本番当日が初めて全員揃う日ということもザラにあります。

ホール練習の活用法

お次はホール練習の活用法です。

せっかくホールに来ているんだからひたすらホールで練習すればいい!というのが最もなところですが、1団体から複数編成で出る場合はそれぞれにホール練習の時間を用意しなければなりません。

さらに、近々コンサートを控えている場合は舞台企画にも時間を割いておきたいところでしょう。

これもアンケートを取ってみましたが、学校の生徒や保護者に来てもらうという手があるみたいです。

他校の吹奏楽部の方に声をかけるケースもあるようで、田舎出身の私にはピンときませんでしたが、コンクールに出場しない学校が近くにあればアリですね。

ギリギロまでいい演奏に仕上げるためにも使えるものは使えましょう。

一般バンドの場合本当にひたすら合奏が多いと思いますが、スクールバンドは編成別にスケジュールを組んだり大変ですね。

アニメ「響け!ユーフォニアム」でもありましたが、オーディションをするのはホール練習の機会がおススメです。

ホールという本番に近い環境でしっかり音色が映えるか、響くかというのを確認できます。

あとは録音ですね。これは絶対に絶対にやっておきましょう。 最後に演奏を録音して残りの練習に活かします。

ほぼほぼセッティングは固まっている想定なのであとはひたすら微調整です。詰めが甘いところを本番までに改善するようにしてください。

余裕があればホール練習開始直後と終了間際の両方をとっておきビフォーアフターを楽しみたいですね。 成長を耳で実感するって大事です!

おわりに

吹奏楽コンクール前に行うホール練習について綴りました。

ホール練習というとお金はかかりますし、当日は時間との戦いですし、体力も結構使う上に神経まですり減らしたりするものですが、なんだかんだで「好き」という人が多いかと思います。

舞台に上がると傍目からは気付かなくても、自分でさえ気付かなくても、テンションが上がってしまう・・・プレイヤーの性ですね♪

ホール練習を活かして本番で最高の演奏ができるように参考にしてみてください。

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