オーボエのお手入れ方法
kinako
オーボエ歴9年、アマチュアの吹奏楽団で活動中。たまにイングリッシュホルンを吹くこともあります。 三度の飯よりオーボエを吹くことと寝ることが好きです。使っているのはYAMAHA YOB-831です。
オーボエを吹き終わった後、きちんとお手入れしていますか?オーボエはとてもデリケートな楽器です。
間違った方法で行なっていると、楽器の割れやキイの歪み等、トラブルに繋がってしまう可能性があります。
ここでは日頃の基本的なお手入れ方法や、よくあるトラブルの時の対処法について解説します!
オーボエの構造と組み立て方
オーボエは分解すると3つのパーツに分かれます。 画像左から上管、下管、ベルです。
この3つを組み立てて上管にリードを挿し込んで演奏します。
それぞれのパーツが繋がる部分をジョイントと呼び、組み立てる際はジョイント部分にあるキイが上下で噛み合うようにします。
オーボエは見ての通りキイが沢山ついています。
キイは力を加えると歪みを生じやすいので、組み立ての際や普段楽器を持つ時には、キイの部分は強く握らないように注意しましょう。
もし、組み立ての際にコルクが入りにくい時はコルクグリスを使用してください。
AMAHA ヤマハ コルクグリス CG4
コルクグリスは毎回塗る必要はありません。
沢山塗ると汚れやゴミが溜まりやすくなるので、薄く塗りつけて指でのばすようにしましょう。
スワブの通し方、掃除羽根の使い方
楽器を吹き終わった後、もしくは演奏の合間には楽器の中に溜まった水分を除去します。 水分が残ったままにしていると割れの原因になるので楽器を片づける前には必ず行ってください。
また、合奏の間の休憩時間や、吹いていて音が途切れるようだったり、キイに水が溜まってきたと思った時は状況に応じて行いましょう。
YAMAHA CLSOB2 オーボエ用クリーニングスワブ水分の除去にはスワブ又は掃除羽根を使います。
スワブは楽器を分解せずに水分を除去できる手軽さと扱いの楽さがメリットです。
一方、細かい繊維やゴミが管内に残ったり傷つける可能性があることや、スワブ自体が管内に詰まる危険性があります。
オーボエ掃除用 大羽根羽根は管内を傷つけたり詰まる可能性は低いですが、掃除するのに楽器を分解する必要があることや、羽根自体の劣化しやすさ、羽毛が抜けて管内に残る可能性がある等のデメリットがあります。
スワブと羽根、使うのはどちらでも構いませんが、メリット・デメリットを理解した上で選び、正しい方法で使うようにしましょう。
スワブの使い方
スワブはベル側から通して水分を拭き取ります。 スワブを通した時に無理に引っ張らないようにして下さい。
オーボエは管の中がとても細く、円錐形の構造になっているため、上からスワブを抜こうとすると、詰まってしまうことがあります。
スワブの布部分が上管から少し見えたくらいでベル側から抜いてください。 画像のようにスワブはベルから抜くようにしましょう! スワブは何回も使っているうちに吸水性が悪くなってくるので、定期的に洗濯してください。
少しでも毛羽立ちや毛玉が出てきたら、新しいものに取り替えましょう。
羽根の使い方
羽根を使う場合は上管と下管(+ベル)に分けて行いましょう。 羽根を下から入れて中でくるくる回したら入れた方から出します。
スワブのように詰まる心配はありませんが、羽毛が抜けて管内に残ることがあるので、状態を確認してから行ってください。 羽根は羽毛が抜けてきたり、汚れてきたら取り替えましょう。
スワブ、羽根を使う時に一緒に確認!
忘れてはいけないのが、ジョイント部分です。特に水が溜まりやすいので、しっかり拭き取りましょう! 右がベルで左が下管です。忘れがちですが、水が溜まりやすい部分です。
楽器を分解した時にしっかり確認し、水分を拭き取りましょう。
楽器の磨き方、細かい部分の手入れ
オーボエを吹き終わったら、楽器専用のクロスを使ってキイを磨きます。
YAMAHA ヤマハ ポリシングクロスDX Mサイズ PCDXM3強く磨くとキイが歪んでしまうため、優しく磨くようにしてください。
楽器を持つ方の手も、できるだけキイの部分を握らないようにしましょう。
また、だんだんキイの隙間にホコリが溜まってくるので、定期的に筆や綿棒を使って取り除くようにします。
画像では楽器専用のトーンホールクリーナーを使用しています。
ヤマハ トーンホールクリーナー TCL2キイに強い力を加えたり、バネを外してしまわないよう注意しながら掃除しましょう。
綿棒やトーンホールクリーナーの入らないような狭い部分は、毛の柔らかい筆を使うと掃除しやすいです。
トーンホールに水が溜まった時の対処法
演奏中にトーンホールに水が溜まった時は、強く息を吹きかけて水分を飛ばす方法もありますが、クリーニングペーパーを使う場合は、キイとトーンホールの間にやさしく挟んで水分を取り除きます。 この時、クリーニングペーパーが破れてトーンホールに残ってしまわないよう、注意しながらゆっくり行いましょう。
ヤマハ クリーニングペーパー CP3
水分が溜まる場所や溜まりやすさは個体差がありますが、はさむ場所を変えながら一枚で何回か使うことができますし、一箱買ってしまえば何十枚も入っているので、長く使うことができます。
また、後に記載するキイオイルを差す時に使用しますので、持っておくと便利です。
キイの動きが悪い時の対処法
キイの反応が悪い時やカチカチ音がする時は、キイオイルを差してみてください。
YAMAHA / ヤマハ キーオイル ライト KOL3キイオイルには「ライト」「ミディアム」「ヘビー」がありますが、オーボエは「ライト」を使います。
キイオイルは定期的に(1~2カ月に1回程度)差しておくとトラブルを招きにくくなります。
キイとキイポスト(丸いところ)の間に少量オイルを差し、余分なオイルは他の部分につかないようにクリーニングペーパーで拭き取ります。
オイルの差しすぎは逆に汚れが溜まったり、錆の原因になるので注意してください。
キイがトーンホールに張り付いてしまう場合は、クリーニングペーパーで水分を除去してみましょう。
YAMAHA PP3 ヤマハ パウダーペーパーオイルやクリーニングペーパーでも改善されない時は、パウダーペーパーを軽く挟んでみてください。
※パウダーペーパーは、トーンホールやタンポの汚れの原因になりやすいのでやり過ぎは禁物です。
リードのお手入れ
リードを使い終わったら、水道水で軽く洗って水気を取ってからリードケースで保管してください。 洗う時はチューブ側から中に水を通し、リードの内側も洗浄しましょう。
吹き続けるうちにリードの抵抗感が増したり、吹きにくくなってきたと感じたらリード用の掃除羽根を使うのも一つの手段です。
吹いているうちに中に溜まった汚れを羽根で掃除することができます。 リードの木の部分を水に半分くらい入れ、チューブ側から羽根を入れます。
リードから先端が出ない程度の位置でやさしく回しましょう。
ダブルリード掃除用 小羽根 3枚セット羽根でリードを掃除することでリードの中を清潔に保つことができます。
しかし、羽根の繊維がリードに引っかかったり、リード内部を傷つける可能性もあるため、掃除をする時はやさしく行うことと、やりすぎには注意しましょう。
おわりに
はじめに述べた通り、オーボエは大変デリケートな楽器です。大切な楽器を長く使い続けられるよう、正しい方法でお手入れしましょう!
しかし、お手入れをしっかり行なっていても、自分で気付かないうちに割れや歪みが生じている可能性があるため、定期的に専門家に点検をしてもらってください。
また、記載した対処法で改善されない場合は、早めに修理に出すようにしましょう!
kinako
オーボエ歴9年、アマチュアの吹奏楽団で活動中。たまにイングリッシュホルンを吹くこともあります。 三度の飯よりオーボエを吹くことと寝ることが好きです。使っているのはYAMAHA YOB-831です。
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