2019課題曲Ⅲ 行進曲「春」 トランペット解説!#1

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時代が令和になりました(^_^)/

この記事では2019年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ 行進曲「春」のトランペットパートについて解説します。

参考にしてください。

楽譜を片手にお読みください。

この曲について

解説に入る前にこの曲ってどんな曲なの?作曲者の想いは?というところを簡単にご紹介しますね。

課題曲フルスコア 作曲者コメントより

チェコの作家カレル・チャペックの「わたしが作曲家だったとしたら「芽の行進曲」をつくったかもしれない。」(園芸家12ヶ月より3月)の文に触発されて行進曲を作らせて頂きました。
(略)
いっせいに色々な植物の芽が隊列を成した様に芽吹き始める様子を行進曲として表現したいとチャペックは書いています。(略)

芽吹きの様子を表現した曲なんですね。

演奏に関する諸注意も続いて載っていますので、気になる方は実際にフルスコアの冒頭コメントを読んでみてください。

ここ10年の課題曲は毎年、行進曲2曲+吹奏楽オリジナル曲2曲+Ⅴ番の5曲で構成されていますが、今年は行進曲が3曲ということが気になっている方もいるかもしれません。

以下、会報吹奏楽209号の作曲者挨拶の一部です。

会報吹奏楽209号より

課題曲の委嘱の契約書には「行進曲以外」となっておりましたが、例年の課題曲のマーチと言うと、4 拍子のマーチが定型文の様になっており、普通の2 拍子のマーチがあっても良いかなと思い、無理を言ってマーチを書かせていただきました。吹連の役員の先生方には、快諾してくださったことを心から感謝しております。

・・・という事情で今年は行進曲が3曲になりました。

※少し補足しておきますと、課題曲のⅠ~Ⅳは一般公募から採用されますが、そのうち1曲はプロの作曲家に連盟が依頼して作ってもらうということになっています。

偶然にもⅡは4分の4拍子、Ⅲは4分の2拍子、Ⅳは8分の6拍子とそれぞれ趣向の異なる3曲が揃いましたので、こういう年があってもいいか・・・というかむしろ面白いなと個人的には思っています。

会報吹奏楽も合わせて読んでみてください。

4分の2拍子について

4分の2拍子という指定を見たとき、

4分の4拍子とどう違うの・・・?

という疑問を持たれた方もたくさんいると思います。

4分の2拍子による2拍単位で進行する場合、拍の強さは のように1=強拍、2=弱拍の繰り返しで進行します。

これに比べ4分の4拍子は4拍単位で進行し、 1=強拍、2=弱拍、3=中強拍、4=弱拍で進行します。

4分の4拍子はもともと4分の2拍子2つがくっついたという話もあるので、自然な解釈だと思います。

私もこの分野に特別詳しいわけではありませんが、拍や音楽の流れの捉え方の違いが主なポイントでしょう。

作曲者の福島さんは

会報吹奏楽より引用

2拍子と4拍子では、「4拍子のマーチであっても、単純に小節の真ん中で線を引いて2分割すれば、2拍子になるのでは?」と言う印象もあるとは思いますが、ベースラインの進行、メロディーラインや後打ちのリズムの躍動感、メロディーの構成が、作曲するにあたっては、大きく差異がある事を改めて自覚する事ができました。

と語ってます。

冒頭~

会報吹奏楽より引用

曲は生命感に満ち溢れた春の喜びを表現しています。芽吹きの表現は冒頭から現れる付点8分+16分音符のリズムです。付点8分の長さやスピード感を工夫してください。

冒頭についてはこのようなコメントがあります。植物が美しく芽吹く様子を表現しましょう。付点8分の音に注力するあまり16分音符がおろそかにならないように気を付けてください。

メロディラインで3小節目の頭で伸ばしているのはトランペットとスネアドラムだけです。同じメロディのオーボエやクラリネットは最後の8分音符が休符になるので、つられてそこが空っぽにならないよう注意しましょう。

5小節目はドミソ(B♭、D、F)の綺麗な和音です。ハーモニーの調和と音型の統一を意識するとクリアになり音楽が映えます。

9小節目アウフタクトは疎かにならないように気を付けてください。

作曲者の意図として基本的に音量以外の指定が楽譜上にありませんが、アクセントやスタッカートは自分たちの解釈でつけ、色彩豊かな音楽となるよう工夫しましょう。

9,10小節目はスネアドラム以外全パートが4分音符です。荘厳に堂々と前に進みましょう。音の長さが人によってマチマチになるとかなり雑な印象を受けてしまいます。

全パートが同じということで音色のブレンド感、バンドとしてのサウンドをアピールできるポイントです。

11小節目はシンコペーションです。勢いのあるアクセントをつけると音楽にハリが出るでしょう。

冒頭部分は曲のオープニングです。音色やバランス、音程に気を配りお客さんに「この先も聴きたい」と思わせるような演奏を心がけましょう。

練習番号A~

Aは冒頭がおわり、これから展開していく音楽の最初の部分です。あまり力まずに春の訪れや芽吹きの様子を歌いましょう。

メロディ自体も可愛いですし、割と厚い編成ですので、軽めのポップなノリで吹きたいですね。行進曲としての安定したベースは低音パートに任せたいところです。

1stはなにも言わなくても楽しく吹けると思います。2nd,3rdはハモリですので、1stのテンションについていきつつ、自身の役割を全うすることを意識してください。

よくわからない場合は、パート練習のときに一音一音取り出してハーモニーの確認をしていきましょう。

25小節目~も同様ですね。付点8分音符の感じ方を吟味してください。テヌートっぽくすると音楽が堅実な印象になりますし、音の後ろを抜いて短めにするとポップな印象を与えます。

好みに合わせていろいろやってみましょう^^

つづく

続きます!

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