大人から楽器を始めるメリットデメリット
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このサイトの企画、制作、保守全般を担当。 音楽略歴:トランペット10年、ピアノ2年 音楽やってる人を応援したい。
楽器を始めるタイミングは人それぞれですね。
子どものころからやっている方のほとんどは小学、中学、高校の部活動からが多いと思いますが、大人の方はどうでしょう。
「やってみたい気持ちはあるけど、今からでも大丈夫かな?」
「子どものころからやってきた人みたいにはなれないよね。。。」
などなど、いろんな思いや不安を抱えているかと思います。
当然、練習時間の面ではかなわないところもありますが、楽器とかかわる時間をどう確保していくか、どう管理していくかということについて[[[自分自身が主導権を握っていく]]]という点では断然大人から始める方に分があります。
この記事ではそんなあれやこれやを「大人から楽器を始めるメリット、デメリット」と題して紹介します。
大人から始めることの強みに気付き、背中を押していく内容です。
「子どもから」と「大人から」では大違い
楽器を始めるのが子どもからか大人からかでは一つだけ絶対に覆らないであろう大きな違いがあります。
それは「教育」という観点です。
スクールバンド、いわゆる吹奏楽部でよく語られるのが「音楽を通して成長を」というスローガンめいたものです。もちろんこれ自体は素晴らしいもので仲間との演奏を通して成長ができたらそれはなにものにも代えがたいものになりますね。
しかし、当然弊害もあります。
部活動という箱の中で組織の中での協調性を優先するばかりに自分が本当は楽器を吹きたくないとき、少し距離を置いてみたいときにも練習することになり、ときに純粋に音楽を楽しめないという状況も生まれます。
人間関係や学業との兼ね合いがそうさせることもあるでしょう。
icon05,1,1,,1:::もちろんその辺り配慮されてるところもあるだろうけど。しかし、大人から始める場合は完全に自由です。楽器に触れるも離すも自分で選択することができます。
これを読むと「そりゃそうだ」と思った方もいるかもしれません。ですが、これは音楽に取り組む上で大きなアドバンテージです。
楽器に触れたくないときは触れない。関わり方を自分で選択していくことができる。これが大人から始める音楽の強みです。
中高生の中には「吹奏楽部を辞めたい・・・」と悩みかなり辛い想いをする方もいますが、大人は無縁です。内申点もないし、なんの評価にも響きません。
本当はそれがあるべき姿ですので、これはスクールバンドの課題でもあります。
やりたいときにやってやめたいときにやめられる、それが大人から新しくものを始める強みです。
では次に実質的なメリットデメリットを見ていきましょう。まずはメリットから。
メリット
実質的なメリットは本当にたくさんありまして、今から期待しててください。
私自身、いろいろ思うところはありますが、「大人から楽器を始めたよ!」という方にアンケートもとりましたので、その内容も踏まえてご紹介します。
若返る、健康になれる
年を取るにつれ、自分の中の「老い」に敏感になり心もだんだんと熟してきますが、なにかに夢中になる姿勢は若かりし頃を思い出させてくれるものです。
■30代からピアノを始めた女性 単純に興味が湧いた、好きな事に打ち込むというのは、何より気持ちが明るくなり若返る。いくつになっても、自分が好きな事に夢中になっていると、そんな自分に自信がつく。頭と手先を動かす行為や、無意識に脳の領域を使い活性化するので、呆け防止にもなる。
また、「健康になれる」、「頭の体操になる」という声もきけました。
■40代からサックスを始めた男性 意外に体力を使うので 続けていくとより健康的な生活が送れます。
たしかに、楽器の演奏は結構体力を使います。
客席からは座って演奏しているだけに見えるかもしれませんが、パートによってはずっと構えてるだけでも疲労するものもあり意外と体力勝負なところがあります。
■30代からウクレレを始めた女性 楽器は指先を動かすものが多く、またたくさんの人と音を合わせるために普段使わない神経を使う。楽しみながら頭の体操ができるのはとっても良い。
アンチエイジングにもなりますね^^ このほかには「肺活量が増えたような気がする」という声もありました。
健康のためや若さキープという観点では音楽の何がそう作用しているかというと意外にも瞬発力がいることだと思います。演奏時は決められたタイミングにピンポイントで音を当てることの連続です。
そのためには拍を数えて、楽器を構えて、アンブシュアを作って、ブレスをして、音を放つ、放つ、放つ・・・これの連続です。楽器によってプロセスは違いますが、音を紡ぐのはとっても楽しいです。
視野が広がる、音楽の聴き方が変わる
私もトランペットをやっていて感じますが、ジャンルを問わず音楽を聴くと必ず耳が勝手にトランペットの音色を拾ってしまいます。
■40代からサックスを始めた男性 楽譜が読めて演奏できると おなじみの歌謡曲からクラシックまで深くじっくり聴けるようになり 面白くなります。特に演奏している曲なら主旋律(メロディー)だけでなく 対旋律が引き立って聞こえてこれば最高。
音楽の表面的なところだけじゃなく、伴奏やベースの動きなんかにも注意が向くようになります。つまり、これまで聴いてきた音をもっと深く味わうことができるようになります。
■30代から始めた男性 あらゆる曲のテンポやリズムに乗れるようになり、つい、無意識にリズムを刻んでいます。
楽器で培った感性が私生活に馴染むというのも生活に彩りを添えてくれますね。
友達/仲間が増える、交友が広がる
実はアンケートの中ではこの声が最も多かったです。
音楽は一人でやる楽しみ方ももちろんありますが、やはり醍醐味は複数人や大勢での演奏にあります。言葉ではなく音でとるコミュニケーション、仲間の音色から伝わる熱意・心意気や綺麗にハモったときの感動はなにものにも代えられません。
その声も少し紹介させてください。
■30代からピアノを始めた女性 ・新しい人や会話と出会える。 ちょっとした会話でも、今までなかった楽器の話題が引き出せたり、新しい事をするというのは共通の趣味の出会いが増えたりする。
■30代から始めた男性 ・交友が広がり会話が増えた 大人になると仕事や親戚以外では付き合いが薄くなるが、楽器を通じて、共通の趣味から会話も楽しくなり、コンサートなどにも行くようになった。よって毎回の練習が楽しみになりました。
■40代からサックスを始めた男性 ・友達が増えた 音楽教室の仲間もそうですが、仕事上でのお付き合いしかなかった方などもサックスを通してより親しくなることが度々あった。中には、プライベートでも食事などにいく方もできた。 ・笑っている時間が増えた この歳で新しいことを始めると、色々な意味で笑っている時間が増えた。思うようにいかなくても笑っていられた。仕事一筋で生きてきた私にとってはとても貴重な時間となっている。
■30代からウクレレを始めた女性 ・仲間ができる! 大人になると仕事や子ども繋がりの友人・知り合いができることは多いが、利害関係なしに何かを一緒に楽しめる人と知り合うのは意外に難しい。楽器を通して、同じことを楽しめる人たちとフラットな関係が作れるのは嬉しい。色々な年代の人と知り合えるのも魅力!
一緒に演奏をする歓びは最高です。自分より玄人の人に褒められると特にうれしいですね。
仕事とのバランス
大人になると何か趣味がないと平日は会社と家の往復、休日は家で寝て疲れをとるだけということになってしまう人もいます。
楽器を始めたおかげで仕事にもいい影響があったという意見をご紹介します。
■40代からサックスを始めた男性 ・仕事で無理をしなくなった サックスをはじめるまでは、全ての中での優先順位は仕事が一位であったため、極端なことをいえば、倒れる直前まで働いていたが、サックスを習い始めた時に、音楽教室へ行くことを最優先にしていたことが、私の価値観を変え、良い方向へ変化させてくれた。
音楽を始めるとイイコト盛りだくさん♪ですね。
「始める」特別感!
■30代からウクレレを始めた女性 ・大人になって新しいことを始める特別感! 年齢を重ねると体力的に出来ることと出来ないことがどうしても出てきてしまう。しかし、楽器であれば色々なタイプの楽器から選べることもあり、ほかのアクティビティより敷居が低い気がする。いくつになっても新しいことを始める時はワクワクするもの。
新しいことを始めるときは、これまで前に立ってもノックをしようとしなかった扉を開けるような、新しい世界に飛び込むドキドキやワクワクが味わえます。
今、少し興味がある!という方も是非行動を起こしてみてください。
デメリット・・・というか苦労
お次はデメリットです。
最初に断っておきますと、新しいことを始めることそのものに関してはデメリットなんてありません。
内容としては実際に始めてみた場合の苦労やリスク、想定外の妨げとなる敵についてご紹介します。
時間の確保が難しい
仕事をしているとどうしても時間を確保するのが大変になりますね。
自分の趣味以外に付き合いもありますし、スケジュールをより綿密に立てないと音楽に費やす時間をつくるのは難しいのかもしれません。
■30代からピアノを始めた女性 ・時間が足りなく感じる 仕事や家事などに趣味が大きく入ってくると、活動量が増えるためあっという間に夜になってたりする
■40代からサックスを始めた男性 ・時間の捻出が難しい場合がある 新しく楽器を始めるにあたっては、特に最初のころは定期的にコンスタントに練習を行う必要を感じるが、大人になってからは仕事が妨げとなり、定期的に練習時間を取れない方も多いと感じる。
これから始めようと思う方は今の時間の使い方を一度見直してみるのもいいかもしれません。
練習場所の確保・防音手段をどうするか
スクールバンドであれば学校の中で自由に練習ができますが、大人になるとそうはいきません。
環境面ではこれが子どもから始めるか大人から始めるかの大きな違いですね。
■30代からピアノを始めた女性 ・防音など環境設備が気になる マンションなどの単身者用では、ヘッドフォンやサイレントで気をつけても、意外に動作音が響いたりするので気を使う
■30代からウクレレを始めた女性 ・練習する場所を探すのが大変 大きな音の楽器になると近所の目もあり、自宅で練習するのは難しい場合も。特にマンション住まいだと防音設備が整ってないと難しい。
楽団に入ればそこで一緒に練習ができるので、楽器を始めてすぐにでも入れるところがあれば一度見学にいくといいです。一般団体もカラーが様々ですが、もちろん始めたばかりの方を歓迎している団体もあります。
レッスン代・楽器の購入費用をどうするか
音楽を始めようとするとどうしてもお金がかかるものです。
私もサックスの体験レッスンに行ったことがありますが、「レッスンの度にレンタルでもいいけど、本気で始める気なら20万代のものを買った方がいい」と言われました。
もちろんその費用を払ったからといって手に入るのは楽器本体だけ・・・。レッスンは?練習場所は?教則本は?お金関係は課題が盛りだくさんです。。。
大人から始めている人の声もご紹介します。
■30代でピアノを始めた女性 ・お金がかかる もっと上手くなりたいという向上心、知りたいという学習力、それに比例してグレードを上げる付属の追加購入やレッスン講習代など気づいたらお金が出ていってる
■30代で始めた男性 ・購入費用に悩む 結婚しており、財布の紐は嫁が握っている為に楽譜や楽器購入、修理などは交渉が必要で毎回悩みます。
■30代からウクレレを始めた女性 ・楽器を購入しなければいけない? この楽器がやってみたい!そう思っても、次に考えてしまうのが「楽器はどうする?」買うとなると中古でも安くはないもの。買ったら続けないと... といプレッシャーから手が出にくいところはあるかも。
お金の問題は今やっている人でもとても切実です。軌道に乗ってくればどうということはありませんが、余裕のない方は続くかどうかも分からないという不安があるので、レンタル楽器などで様子を見つつ続けるのがオススメです。
自分の中で「もっとのめりこみたい!」という気持ちが芽生えたら思い切って飛び込みましょう。
kanrenc1,1,2,8:::体験レッスンに興味ある方はこちらの記事をどうぞ。楽譜を読むこと・譜面の理解が最初は大変!
最初は楽譜を読むのにも苦労します。
練習で出会うひとつひとつの楽譜を丁寧に読み解けば必ず読めるようになりますが、苦労をされた生の声を見てみましょう。
■30代から始めた男性 ・譜面を理解するのに時間がかかる 大人から始めると音符の意味を理解するのに、なかなか覚えられずに時間がかかってしまう。
■40代からサックスを始めた男性 ・くじけそうになる ほとんどの人が学校の授業で音楽は経験されていますが、まずこんなに楽譜が読めない事に凹むと思います。楽器も思う通りに演奏できないうちは余計そう感じると思います。地道にコツコツと練習を重ねていくと、これらのしんどさ・辛さを乗り越えていけると思います。
■30代からウクレレを始めた女性 ・楽譜の読み方を覚えられるか? まずは楽譜が読めなくてはいけません。全く読めない方が始めるのは少しお勉強が必要なので、途中でやめてしまうキッカケにもなりかねない。
ちなみに、楽譜を読むのも演奏そのものも慣れてくれば楽しめます。最初のうちも上達の過程をじっくりと楽しみたいですね。
これらの他には若いころに別の楽器をしていた方から「若いころと比べ、上達が遅かった」という意見がありました。
確かに、子どもや若い人の吸収力はとてつもないものがありますが、ゆっくりと付き合っていくつもりでやればなんてことはありません。丁寧な歩みで上達していけます。
おわりに
メリット・デメリットをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
「なにか楽器を始めてみたい!」という気持ちは同じでも人によって環境や配偶者・子どもの有無、経済状況等は様々ですので、立ちはだかる課題もそれぞれ違うと思います。
ちゃんと始められるか、また続けられるか、という不安は最初のうちだけです。この記事で紹介したようなメリットがたくさんありますから、始めたら必ずやあなたの生活に光をもたらすでしょう。
参考になれば幸いです。ありがとうございました。
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このサイトの企画、制作、保守全般を担当。 音楽略歴:トランペット10年、ピアノ2年 音楽やってる人を応援したい。
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