吹奏楽コンクールの課題曲解説記事に譜例を載せられない理由
suipedian
このサイトの企画、制作、保守全般を担当。 音楽略歴:トランペット10年、ピアノ2年 音楽やってる人を応援したい。
こんにちは。
当サイトでは毎年吹奏楽コンクールの前に解説記事をあげているのですが、基本的にテキストのみでお届けしています。
もちろん、「譜例を付けた方が分かりやすいよな」とは思っているのですが、ある理由があってできないのです。
その理由についてお知らせしますね。全日本吹奏楽連盟に問い合わせてみました。
全吹連に問い合わせてみました。その内容
事の起こりは今年(2018)の5月にさかのぼります。
結果としては叶いませんでしたが、各パート毎に課題曲の解説記事を用意しようとしている中でチューバをご担当してくださる方とやりとりしていました。
執筆の要綱には「譜例もつけたい」ということを含んでいたのですが、やり取りの中で「譜例つけちゃうの、大丈夫ですかね」という趣旨の内容が出てきて、確かに・・・!
と思いました。
そして、いろいろ考えたり調べたりしても埒が明かないので
よっしゃ、全吹連に聞いてみよう
ということになりました。
送ったメールの内容
送ったメールをそのままここに載せるのは長いしちょっと抵抗もあるので、要点のみ記載しますと・・・
- 課題曲について1点お願いがある。
- webサイトの課題曲解説記事に譜例を載せたい。
- 方法は楽譜編集ソフトに打ち込み、画像ファイルとして保存したものを挿入する。
- 日本全国で少しでもいい演奏がされてほしいから・・・どうかお願い!(>_<)
という内容でした。
全吹連に問い合わせをするなんてことが初めてだったので、「返ってこないかもしれない」と思っていました。
返ってきたとしてもすんなりOK!とはならないだろうと予想していたので、この段階では譜例掲載予定の記事を用意しつつも、特に添付やURLの案内をすることはありませんでした。
全吹連の回答内容
回答内容の前に、全日本吹奏楽連盟は全吹連への連絡に関する要綱にこんなことを書いてるんですよ。
- 返信させていただいた内容を転用したり、二次利用することはお断りいたします。
はい、というわけでね・・・あまりおおっぴろげには教えられません。なので要点だけを紹介しますと・・・
- 掲載予定の譜例を全て&内容を教えてください
- 詳細は↑これを確認した上でお知らせする
- 許諾する場合は譜例にコピーライト表記が必要になる
- 掲載には課題曲の権利を信託しているJASRACへの申請が必要となる
ほほ~なるほどね。JASRAC出てきたか。。
はっきり言いましょう。このサイトを運営するものとして、全国のプレイヤーたちにいい解説記事を届けたい気持ちはある・・・でもそれ以上に・・・。
めんどくさいっ!
こちらから返答、その結果
とはいえね、最終的にどう転ぶにせよ、全吹連様の見解を是非教えていただきたい。
そのようにおっしゃるならばと、掲載予定の記事データを送りました。
htmlファイルで送りました。実際の掲載に準じた形がいいと思いまして。
あと、譜例を掲載したい記事数は複数ありましたが、1記事のみにしました。初回でどんな返事がもらえるかもわからないということで。
結果・・・返信はありませんでした。
なんでしょう、この場合無視された
というよりも返信がなかった
の方が適切かと思います。
やっぱり一個人に対していちいち相手してる余裕はないんでしょうかね。きっと忙しいんだと思います。そういう意味では最初にメールに返事をいただけたことだけでも御の字です。
課題曲の譜例掲載の是非について
仮に自分が全日本吹奏楽連盟の立場だったとして1個人のwebページに譜例を載せたい
という問い合わせにどうこたえるか?っていうと結構難しい問題だと思うんですよ。
最もいいのはその内容を実際に確認して「この内容なら大丈夫」と判を押した上で正規の手順を踏ませて掲載させるだと思います。
しかし、全吹連からすると一体何人がこんな問い合わせをしてくるか分かったものではないので、やはり非現実的でしょう。1人に対応してしまったら他も平等にしなきゃいけないという事情があるので。お役所は特に。
まぁ本音を言うならNoならNoではっきりと言ってくれとは思っています。察してくれ
という日本人的な対応は相手に対して誠実とは言い切れません。
ただ、特定多数ないし不特定多数を相手にするとなるとどうしても最も安全な最小公倍数的な選択を取らざるを得ないことになるのだと思います。もしかするとそれが「相手をしない」という選択になるのかもしれません。
全日本吹奏楽連盟のwebサイトには問い合わせのページに
お寄せいただいたご意見、お問い合わせについては、すべてに返信できない場合もございますので、あらかじめご了承ください。また、返信までにお時間をいただく場合もございます。
という注意書きがあるので、返信がなかったことに関しては特に不誠実とも傲慢とも思いません。(さっき「誠実とは言い切れません」って言っちゃったから矛盾するような気もするけど。)予め注意いただいてる結果になっただけですので。
おわりに
著作権やその他諸々のことを考えると当然っちゃ当然の結果でした。
記事を作る側からすると少しでもユーザに優しくありたいというのはあります。
それが今回で言うと「譜例を載せる」だったわけですが、まぁとはいえ課題曲の解説記事なんて言うニッチなジャンルの記事にアクセスしてくる人はその大半が楽譜を持っているでしょうしいろいろ言いましたが結果としてはオーライなのかなと思います。
というわけで、今後も楽曲解説の記事にアクセスされる方はすみませんが、楽譜を片手にお願いします。
まーでもあれかな。毎日練習してたら楽譜なんて頭の中に入ってるし、作り手の過度な心配なのかもしれないな。書き手と読み手の温度差ってwebコンテンツにはありがちですし。
全日本吹奏楽連盟様、お騒がせ致しました。
suipedian
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