ミサミサの2019課題曲Ⅰ「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲解説!#1

ミサ

年齢不詳。どこかの学校で吹奏楽を教えているらしい・・・?楽器の練習に関して性の方面からアプローチする第一人者。バチェラーが好き。

ミサミサの課題曲解説講座with2019!

やるわよ~

今年も来ましたね。コンクールが

そうね。早速課題曲の解説、やっちゃうわよ。

覚悟しなさい!

曲の概要、全体の印象について

2019年度の朝日作曲賞受賞作品なんですよね。

そうね、昔は「朝日作曲賞受賞作品っぽさ」みたいなのを感じてきたけど、最近はそれも曖昧になりつつあるわ。

それ、先生の主観ですよね?

そうよ!悪い!?

いや、悪いとは言ってませんけど・・・。例えばどの曲ですか?その朝日作曲賞らしくない曲は。

最近だと2016年のスカイブルーなんとかね。

今年はどうですか?

そうね、手堅く朝日作曲賞らしさを守ってると思うわよ。曲として威勢があるというか由緒正しさがあるというか堂々としてて歪みやねじれがないのよね。中高生たちもストレートに向き合えるって感じ。

よくわかりませんが、いい曲なんですね。

そういうこと!

全体を通して演奏上の注意点やポイントなんかはありますか?

この曲って数年ぶりに最初から歌詞が用意されてる曲なのよね。

歌詞・・・ですか?

そうよ、「あんたがたどこさ」っていうのはね日本の童謡・わらべうたなの。

一度聞いてみるといいわよ。16秒から歌詞始まるわ。

私も遊んだなぁ(遠い目)

何歳なんですか汗

だまらっしゃい!!

それより、原曲は結構テンポ遅いんですね。

課題曲を先に聴いちゃうとそう感じるかもね。みんなで歌いながら遊ぶ曲なんだからこんなものよ。

でも当時の時代でも「あんたがたどこさガチ勢」は課題曲くらいのテンポで遊んでたかもしれないわ。

なんですか、「あんたがたどこさガチ勢」って。。

おだまり。

曲の趣旨もそうだけど、古風な雰囲気は大事にしてほしいわ。

古風な雰囲気を演出できる楽器といえば?

え?えーっと。。。ピッコロ、フルート、オーボエあたりでしょうか?

全部よ!全パートに決まってるでしょうが!

いやそんな聞き方されたら特定のパートかと・・。

もちろん音色で「古き良き情景」を想起させやすいパートはあるけれどね、でもみんなでつくるのよ。

それにオーボエもフルートもだけど、この曲ではソロが用意されてるから間違いではないわ。

指揮者や指導者が気を付けることはありますか?

この曲はマーチと違って何度か曲中で場面やテンポが変わるでしょ?

その各所の始まりと終わりはすっきりさせてほしいわね。特にこの曲の場合、デクレシェンドでゆったりと終わって、かと思えば次のフレーズでは一気に畳みかけるように盛り上がることがあるからその辺り息を合わせることね。

基礎合奏でもハーモニーやアーティキュレーションの形はじっくりと整えていきたいですね。

そそ!曲練習もいいけど、全体としては基礎の部分を重点的にすべきよ。

大編成用で書かれてるし、スコアをめくってみても厚めの構成の部分が多いけど、だからこそ練習番号HやLのような薄い場所はしっかりと聞かせてほしいわよね。

全体の技量のうまさを見せつつ個人技やアンサンブル力の高さも見せつけるんですね。

そうよ、やっぱり聴き手としては課題曲って言うのは前菜でしかないのよ。だからこそ確実に腕があるところを見せて期待をさせてほしいの。

分かりました!じゃあ曲の中身もお願いします!

冒頭

まずは何と言ってもフルート1stによるソロね。

これ、美味しいですよね~、課題曲冒頭からソロなんて。

でもここでトチったら残りの12分間ずっと尾を引くわよ(ニヤ

それにここのソロでまず聴衆のハートを掴んでほしいのよ。ポイントは流れ予感ね。

流れ?

そうよ。この3小節のフレーズ感、「歌である」という点を際立たせてほしいのよ。実際に歌詞を頭に浮かべながら吹くといいわ。

もう一つの予感はフルートというよりクラリネットとの合わせ技ね。

アンサンブルですね!

その通りよ。冒頭3小節の役割はこの曲における重要な主題の提示とお客さんに「あ、なにか始まるぞ~!」ってワクワクさせることよ。

2小節目のrit.は意外にくせ者ですね。

ここは指揮者が決めるのもいいけど、フルート奏者の歌い方に委ねるのも面白いわ。そしてそれによってクラリネットたちが2小節目の音をどれくらい伸ばすのか、また3小節目のホルンがどのタイミングで入るかが決まるの。

課題曲の冒頭は特に大事ですもんね!確実に高いレベルで演奏できるように基礎練習からみっちりやっておきます!

あと、7小節目のトランペットはかなり前に出てきなさいね。8分音符の動きはほかのパートもやってるけど、音程の動きはトランペット(とグロッケン)だけだから。

Aに入る前の盛り上がりの演出ですね。

冒頭3小節目で、地中や深水に潜るようなイメージなのよね~。幽霊みたいにスーっと消えちゃうって感じでもいいけど。

一旦大人しくなるんですね。

あ、あと3小節目のフェルマータのスレイベルとグロッケンシュピールは全体との音量バランス要注意よ。

スレイベル?グロッケンシュピール?

打楽器よ!!スレイベルはあのクリスマスっぽいやつね。

4小節目はpだけど練習番号Aに入った時はfの音量指定よ。だから

  • パートが重なる(編成が厚くなる)
  • 音量指定が大きくなる

の2点でしっかりと聴き手に変化を伝えるようにね。

スーッと消えたと思ったら一気に快感が押し寄せてきたっていうのは最高に気持ちいいのよ。

あのー・・・エッチなロングトーン講座みたいなノリはいいですよ。

だまらっしゃい!

練習番号Aから

Aはいよいよ始まった!って感じですね。

ここでついついやらかしちゃうのは何だと思う?

え?伴奏の縦が揃わないとかですか?

ん~それもあるけど、もっと曲全体を見たときに残念なやつよ。

伴奏のハーモニーがムチャチャとかですか?

ん~それもいいけども・・てかムチャチャて。

正解はメロディパートが張り切りすぎよ!

これね~田舎から時間かけて会場にたどり着いた中高生とかがやっちゃうのよ~。

偏見じゃないですか?

だまらっしゃい!

楽しげなメロディではあるんだけど、まだまだ曲の序盤よ。ハツラツとしつつもあまり張り切らないように。

よく見るとここのメロディ厚いですね。クラリネット2nd,3rd、アルトサックス1st,2nd、テナーサックス、ホルン1st,2nd,3rd,4thがやってます。

そうなのよ~。だからコンクール的に考えると全員が全員吹く必要はないかもね。

17小節目からはパートが変わります。

そこはバトンを受け継いだら全く大丈夫。

それよりも17小節目1拍前の打楽器ね。ここのつなぎ目は打楽器だけになるから流れを潰さないように確実に叩くのよ。

つづく

あ~2500文字を超えたわ。

これ以上話し続けると爆発するから今日は終わるわよ。

なにが爆発するんですか?

だまらっしゃい!察しなさい!

続きはまた次回です。ありがとうございました。

ミサ

年齢不詳。どこかの学校で吹奏楽を教えているらしい・・・?楽器の練習に関して性の方面からアプローチする第一人者。バチェラーが好き。

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