【2019年度版】吹奏楽コンクールの課題曲演奏Q&Aまとめ

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このサイトの企画、制作、保守全般を担当。 音楽略歴:トランペット10年、ピアノ2年 音楽やってる人を応援したい。

今年も吹奏楽コンクールの時期がやってきました。令和初の吹奏楽コンクールですね!

毎年吹奏楽連盟は課題曲の演奏に際して各地より集まった質問にまとめてこたえる形で回答を発表しています。

人数が足りないときはどうすればいいのか、楽器がないときはどうすればいいのか、持ち替えはありなのか、などですね。

この記事ではそれらの内容をご紹介します。基本的に転載+解説の連続です。元ページがありますので、確認したい方はこちらからどうぞ。

課題曲のスコア上の楽器及びパートが欠けてしまう場合

Q&Aの内容紹介と解説を続けていきます。

◆課題曲のスコア上の楽器及びパートが欠けてしまう場合◆ Q

少人数バンドが、全日本吹奏楽コンクールにつながる部門に出場したいと考えています。もし、課題曲のスコア上の楽器及びパートが欠けてしまう場合は、他の楽器で演奏することは認められますか。

◆課題曲のスコア上の楽器及びパートが欠けてしまう場合◆ A

欠けてしまう楽器及びパートがある場合は、演奏しようとする課題曲に使われている他の楽器で演奏することは認めます。 補足① 欠けてしまう楽器の音域を変えないで演奏できる楽器がある場合は、その楽器で代用してください。 補足② 欠けてしまう楽器の音域を変えないで演奏できる楽器がない場合は、スコアに示された楽器で代用してください。

少人数バンドを対象としたQ&Aですね。全国大会に繋がる部門に出場する団体はだいたい規定人数を満たしてくるかそれに近い人数で挑んでくるので、対象自体が少数だと思います。

ちなみに、私の知ってる範囲では最も少人数で全国大会に出場したのは2004年の洛南高校で35名です。(もっと少ないの知ってる方いたら教えてください)

さて、解説ですが、基本的には回答内容の通りですね。

補足①は楽器の音域を変えずに演奏してくださいということです。アルトサックスだったらクラリネットやトランペットで代用します。ユーフォが欠ける場合はテナーサックスで代用などですね。

補足②について。それでも同じ音域の代用楽器すらも足りない!ということならば音域が変わるのは致し方ない・・・でもスコア内の楽器という点だけは守ってくれ!というお達しです。

本当にレアケースだと思いますが、該当するバンドさんは検討しましょう。これを機にお金を集めて新しく楽器を買うのもアリですね(お金を集めるのも難しいんですが・・・)。

課題曲全般について

次に課題曲全般の質問&回答です。

人数不測のケースについて

◆課題曲全般について◆ Q1

Fl.1 とFl.2 の奏者は1 名ずついますが、Picc.奏者がいません。その場合は、Fl.1とFl.2 の奏者が、適宜Picc.に持ち替えて Picc.パートを演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A1

楽譜どおりに演奏していれば、持ち替えて演奏することは認めます。

「いいですよーっ」と連盟さんは回答しています。フルートが休みでピッコロの音がある、でも常時ピッコロの人がいない・・・!というときはフルートの人が持ち替えて吹きましょう。

ちなみにこれ、次のQA2にも通じますが、別に誰がピッコロ吹いてもいいんですよ。なぜなら「楽譜通りに演奏していれば」という条件を満たしているから。

持ち替えについて

◆課題曲全般について◆ Q2

Picc.奏者が休みの部分をFl.に持ち替えてFl.パートを演奏する、管楽器奏者が休みの部分を打楽器など、他の楽器に持ち替えて演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A2

楽譜どおりに演奏していれば、持ち替えて演奏することは認めます。

こちらも「いいですよー」という旨の回答ですね。楽譜通りに演奏していさえすればOKです。

「楽譜どおりに演奏していれば」というのは楽譜上に示された音が指定の楽器で演奏されている状態です。ですので、サックス奏者が突然スネアドラムをたたいてもいいですし、ピッコロ奏者がチューバに持ち替えてもいいんです。

なぜなら「楽譜通りに演奏しているから」。ただし、もともと担当しているパートの音は必ず誰かが吹いていないといけません。

持ち替えた結果、持ち替え前のパートを犠牲にするのはNGです。同じパートの誰かが吹いているなど必ず楽譜上の音が全て舞台で表現されている状態にしてください。

パート内の譜割り当てについて その1

◆課題曲全般について◆ Q3

B♭Cl.奏者が4 名います。Cl.1、Cl.2、Cl.3 に1 人ずつ割り当てて、4 人目は、Cl.1、Cl.2、Cl.3 を適宜演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A3

楽譜どおりに演奏していれば認めます。

こちらも「楽譜どおりに演奏していれば」いいよ!という回答です。各場面のバランスなんかを真剣に考えるとこういう手段にうってでるバンドも出てくるでしょうね。

パート内の譜割り当てについて その2

◆課題曲全般について◆ Q4

B♭Cl.奏者が5 名います。Cl.1 に3名、Cl.2 に2名配置し、Cl.3 に奏者を割り当てないで、Cl.3 を他の楽器で代用することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A4

B♭Cl.奏者が3名以上いるので認められません。

これも連盟からの主張は変わっていません。「楽譜どおりに演奏してください」ということです。このQAの場合、人数が足りているんだからパート内で誰かをCl.3に回す必要があります。

自分のパートで他パートを演奏することについて

◆課題曲全般について◆ Q5

E♭Cl.パートが休みの場合は、Cl.1 のパートをE♭Cl.奏者がE♭Cl.で音域を変えないで演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A5

指定の楽器ではないので認められません。

これも同じ。質問文を実行した場合それは「楽譜通りに演奏していない」と言えます。なぜならE♭Cl.パートが休みなのにE♭Cl.の音が存在することになるからです。

どうしてもやりたいならE♭Cl.の人はB♭Cl.に持ち替える必要があります。(Cl.1パートはB♭クラリネットの指定)

パート内の割り振りについて

◆課題曲全般について◆ Q6

6名いるB♭Trp.奏者を、あるところまでは1番:2番:3番=2:2:2と割り振り、それ以降は3:1:2と割り振ることは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A6

楽譜どおりに演奏していれば認めます。

これはQA3に通じるものがありますね。楽譜どおりに演奏するというラインさえクリアしていれば人数の割り振りは自由です。

質問文ではあるところまでとそれ以降に分けていますが、別に練習番号ごとに人数バランスが変わっても楽譜どおりに演奏しさえすれば問題ありません。

まぁでも質問文の内容は割と的を得ていると思います。トランペットの楽譜を見てると3:1:2のバランスはあながち間違っていない。

同一パッセージの複数人による分割演奏について

◆課題曲全般について◆ Q7

1 パートを複数奏者で演奏しています。パッセージが難しい場合は、分割して演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A7

楽譜どおりに演奏していれば認めます。

これも連盟さんの主張は一貫しています。アリです。

例えばこんな↓楽譜があった場合、 これを・・・ ↑こんな感じに分けてもありです。 ↑これは誰も吹かない音があるのでダメです。

人数不測による打楽器パートの再編について

◆課題曲全般について◆ Q8

Perc.奏者が4 名必要な課題曲を演奏する予定ですが、3 名しかいないため、指定の4 パートを再編したうえで演奏することは認められますか。(演奏できない部分がそれぞれのパートで発生してしまうため)

◆課題曲全般について◆ A8

楽譜どおりに演奏していれば認めます。

連盟さんの淡々とした回答・・・(笑)こたえはアリですね。今年の場合、打楽器は曲によりますが4~6人が指定されています。

当然、全員が全員叩きっぱなしというわけではないので、ある楽器が休符の時はこっちの楽器を担当して~・・・など調整して再編するのはありか?という趣旨の質問です。

打楽器パート内でやり切るかほかのパートにも協力してもらうかは自由です、楽譜どおりに演奏さえしていれば。

打楽器パート必要人数超過のケースについて

◆課題曲全般について◆ Q9

Perc.パートを実必要人数(この曲は4 名)以上で演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A9

楽譜どおりに演奏していれば認めます。

これも楽譜どおりに演奏しさえすればOKです。ですので、例えばスネアドラムをTrioまではAさんが担当、Trio以降はBさんが担当というのは許されます。

スネアドラムの複数演奏について

◆課題曲全般について◆ Q10

スネアドラムのパートを、部分的に2台の楽器で演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A10

楽譜どおりに演奏していれば認めます。

スネアドラムにSolo指定や「1st player」があればダメですが、なければいけます。

異なるサイズの打楽器の使い分けについて

◆課題曲全般について◆ Q11

曲中、指定された打楽器で、異なるサイズを使い分けることは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A11

楽譜どおりに演奏していれば認めます。

これも同じ。(私もあまり詳しくはないけど)スネアドラムの皮の張りとか銅部分の高さとか、シンバルの円の面積とか、いろいろ違いがあって微妙に音色が異なるんですよね。

その辺りも楽譜どおりに演奏していればOKです。むしろここはいろいろ試して最適な音色を探すお楽しみポイントでしょう。(いろいろ試そうと思うとお金かかりますよね)

指定調性以外の楽器の使用について

◆課題曲全般について◆ Q12

指定された調性以外の楽器(例えばクラリネットとトランペットについて、B♭管以外のA 管・C 管等)を使用することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A12

調性が指定されているので認められません。ただし、テューバには調性の指定はありません。

フルスコアの各曲最初のページに編成表が載っています(パート譜にも確か調性載ってますよね)。これに反すると指定を無視したことになるのでNGです。

まあでも確かに・・・トランペットでC管を使うとバロックテイストな音が出せるので表現できるものが全然変わってくるんですよね。

※バロック・・・十六世紀末から十八世紀にかけてヨーロッパに流行した芸術様式。

コルネットの使用について

◆課題曲全般について◆ Q13

トランペットパートをコルネットで演奏することは認められますか。また、一部分をコルネットに持ち替えて演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A13

トランペットが無い場合、全曲にわたってコルネットで演奏することは認めます。 ただし、一部分だけ持ち替えることは認められません。また、課題曲をコルネットで演奏した場合、自由曲でトランペットを使用することも認められません。

珍しく長めの回答文がきました。

えーまず、コルネットというのはトランペットの兄弟的なポジションの楽器で、よくマーチングで使われたりします。トランペットと比べると音色が少しまろやかなのが特徴です。あと少しサイズが小さめ。 画像はマルカート様。 マルカートは楽器販売のサイトです!

これはトランペットがあるならトランペットを使いなさいよ、ということですね。課題曲をコルネットで吹ききったにもかかわらず自由曲でトランペットが出てきた場合、

「いやいやいやいや、トランペットあるんか~いっ!」

ってなるので、気を付けましょう。

メロフォン・アルトホルン、バリトンの使用について

◆課題曲全般について◆ Q14

ホルンの代わりにメロフォン・アルトホルンを、ユーフォニアムの代わりにバリトンを使用することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A14

その楽器が無い場合は認めます。その場合、自由曲でホルン・ユーフォニアムを使用することは認められません。

これもコルネットのケースと同じ内容ですね。たしかマーチングで使われるような楽器たちです。

チューバのdiv.部分の演奏について

◆課題曲全般について◆ Q15

課題曲ⅠのTuba パートのdiv.部分は、奏者が一人の場合はどちらを演奏しても認められますか。

◆課題曲全般について◆ A15

認められます。

これはそのままです。あえて言うならどちらも吹くために他パートで代用とかまではしなくていいですよということ。

Soloの複数人数での演奏について

◆課題曲全般について◆ Q16

solo と指定されている箇所を複数奏者で演奏することは認められますか。

◆課題曲全般について◆ A16

認められません。

「Solo」という指定には「一人で吹くこと」という意味が含まれています。ですのでN!G!

括弧付きの音について

◆課題曲全般について◆ Q17

課題曲ⅡのTrb.3 及び課題曲ⅤのB.Cl.に ( ) の付いた音符がありますが、上下どちらを演奏しても認められますか。

◆課題曲全般について◆ A17

認められます。

課題曲Ⅱの場合、練習番号Kにありますね。回答のとおり、どちらを吹いてもOKです。

打楽器の「2 Anvils」について

◆課題曲全般について◆ Q18

課題曲Ⅴの打楽器に「2 Anvils」とありますが、「空洞のある鋼管」でも認められますか。

◆課題曲全般について◆ A18

認められます。

参考演奏の動画バージョンでどんな楽器か見ようと思ったんですが、スコアをみながら音色は分かったものの、姿は分かりませんでした。。。

「空洞のある鋼管」でも認められるそうです。

課題曲のオプションパートについて

オプションパートの代用について

◆課題曲のオプションパートについて◆ Q1

オプションパートが欠けてしまう場合は、オプションパートを他の楽器で代用することは認められますか。

◆課題曲のオプションパートについて◆ A1

オプションパートは、指定された楽器以外での演奏は認められません。

回答のとおりですね。質問文を実行してしまうと楽譜どおりに演奏していないことになります。

オプションパートの部分使用について

◆課題曲のオプションパートについて◆ Q2

オプションパートを指定された楽器で部分的に演奏することは認められますか。

◆課題曲のオプションパートについて◆ A2

認めます。

オプションパートは吹いても吹かなくてもいいというものなのです。

オプションパートの使用可否について

◆課題曲のオプションパートについて◆ Q3

オプションパートの楽器を自由曲のみ使用することは認められますか。

◆課題曲のオプションパートについて◆ A3

認めます。

これも同じです。オプションパートの楽器があっても吹く・吹かないは自由です。コルネットの例と違って、課題曲で使わなかったオプションパートが自由曲で登場してもなんら問題ありません。

以上です!

おわりに

連盟さんの主張は毎年同じですね。質問文たちも年によって微妙な差異はあるものの基本的には同じです。

「楽譜どおりに演奏」っていう言葉がくどいくらい出てくる記事になりました。。(笑)

少人数のバンドや個人が力を持て余している団体は持ち替えを検討してみてもいいと思います。 ここ10数年は全国大会に出てきていませんが、京都府の洛南高校は激しい持ち替えの様を見ているだけでも楽しいものがありました。

コンクールのご健闘を祈っています。

ありがとうございました。

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