フルートのお手入れ方法

ゆっふぃー

某音大卒業のフルート吹きです。普段は小さな会場で演奏活動を行ったり、教えたり、コンテンツ制作のお手伝いをしたりしています。 漫画が好きでほぼ毎日読んでいます。 使用楽器はムラマツの14k Gold(9k mech.) SRです。

フルート吹きの皆さん、楽器のお手入れについて疑問はお持ちですか?

どのくらいの頻度でやったらいいかわからない、やり方が合っているのかわからない、という方必見です。

基本のお手入れからちょっと踏み込んだお話まで、わかりやすく徹底解説!

ガーゼの通し方

楽器のお掃除の基本中の基本ですが、ガーゼの通し方から丁寧に説明していきます。

まずは、楽器を分解しケースに納めます。(フルートは 3 つに分解できますが、頭部管、足部管だけで机や椅子に置くのは避けましょう。転がって落とす原因になります。) 掃除棒にガーゼを巻き付けたら足部管に通しましょう。

どっちの方向からでもいいですが基本的には一方向に通して下さい。

抜き差しするとガーゼが内部で引っかかり故障の原因に繋がります。 胴部管も同様にガーゼを通してください。

そして、頭部管。頭部管は注意点が変わります。

まず掃除棒のガーゼをひっかけている部分、ここに余裕を持たせてガーゼを多めに巻いて下さい。 頭部管に実際に掃除棒を差し込んでみるとわかりますが、反射板にぶつかります。

この反射板は強い力を加えると動いてしまうので、できるだけ衝撃を和らげるためにガーゼを多く巻く必要があるのです。

頭部管は一番水滴が溜まる部分ですから、特に冬場は頻繁にガーゼを通しましょう。 今ではこんな便利なお掃除布(ガーゼ)が売っています。

巻き付ける必要もないですし、てっぺんの部分は布に余裕を持たせているのでこのまま楽々お掃除できちゃいます。 楽器店で購入できますので、是非!

楽器の磨き方

楽器はできるだけピカピカに綺麗に保ちたいですよね?

吹いた後は必ず楽器専用のクロスで磨くようにしましょう まず、時間がなくても最低限磨くべき部位はリッププレートです。

リッププレートは唇を付けて吹いている場所ですから、衛生的にも必ず磨いておくべきです。 また、頭部管と胴部管、胴部管と足部管、それぞれの接続箇所、こちらも必ず磨くようにしてください。

放置しているとゴミが付着し楽器の組み立て、分解が困難になります。 普段は吹き終わったら楽器全体をピカピカに磨いてあげましょう。

基本的には研磨剤などは使用せずにクロスだけで十分綺麗になります。 胴部管、足部管を磨く際はキーがたくさんありますから、その部分には過度に力を入れないようにしてください。

頭部管を磨く際は、一番上のヘッドキャップと呼ばれる部分が回ってしまうので、ここを触らないように注意しましょう。

手汗がとてもひどい、シルバーの楽器が変色してしまう、こんな方にはもうひと手間かけていただきたい! ドラッグストアなどに売ってるアルコールティッシュを使って全体に付着した汗を拭きとってください。

そのあとは上記同様クロスでピカピカに磨いてあげてくださいね。 楽器専用のクロスは洗濯しても効果が落ちないものがほとんどですから、頻繁に洗濯して大丈夫です。

キーを押すとカチカチと音がする時

キーがトーンホールにくっついてしまう、カチカチと音が鳴ってしまう、そんな時は湿気が多かったり、水滴が付着してしまっているのでケアが必要です。

吹き終わりでなくても頻繁に気にかけて欲しい点です。 市販の油取り紙か楽器店で売っているペーパーを使ってください。

使い方は簡単、挟んでパタパタとキーを動かしてあげるだけです。 水が溜まっているとペーパーがびしょびしょになりますから、水分が取れるまでペーパーで吸い取りましょう。

時々やっておきたいお手入れ、メンテナンス

キーの接続部分の隙間にゴミが溜まった

長く使っていると段々と隙間に埃が溜まってきてしまいます。

これは頻繁にやることではないので、どうしても気になった時だけやってください。 使うものは綿棒だけです。できれば繊維がケバケバしていないまとまったタイプのものをお勧めします。

隙間に綿棒を入れて軽くお掃除してください。この時も無理やり押し込んだり、過度に力を加えないでくださいね。

反射板の確認

1.ガーゼの通し方でお話しました、反射板についてです。

こちらも長く使っているといつの間にかずれていることがあるのでたまに確認しましょう。 掃除棒の下の部分(ガーゼを巻き付けるのと反対側)を見てください。線が一本又は三本入っていると思います。

掃除棒をいつもとは反対向きに頭部管に差し込み、この線が歌口の真ん中にきていれば問題ありません。

三本線がある場合は二本目が中心にくることになります。 どちらかにずれている場合、演奏に影響が出るので、楽器店でリペアの方にお願いしてください。

こんなことが起きたら…

キーがちゃんと稼働しなくなった

押しても上がってこない、固くて押しにくい、トリルキーのコルクが取れた、などのトラブルは無理に自分で解決しようとしないでください。

楽器の構造は複雑ですからよく勉強したリペアの方にお願いしましょう。

接続部分が極端に固い、或いは緩くて不便

接続部分が極端に固い場合、応急処置として楽器店に売ってるグリスを少しだけ塗って緩くすることができますがあまりおすすめはしません。

固くなった場合も緩くなった場合も、噛み合わせがおかしくなっている可能性がありますので、楽器店でリペアの方に見てもらってください。

おわりに

楽器は非常に繊細なものです。 気候や温度、湿度で状態が変わります。

日頃から丁寧に扱い、お手入れすることで防げることがたくさんあるので、心がけてみてくださいね。

ゆっふぃー

某音大卒業のフルート吹きです。普段は小さな会場で演奏活動を行ったり、教えたり、コンテンツ制作のお手伝いをしたりしています。 漫画が好きでほぼ毎日読んでいます。 使用楽器はムラマツの14k Gold(9k mech.) SRです。

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