本番の「緊張」とは?いろんな症状と付き合い方を紹介

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このサイトの企画、制作、保守全般を担当。 音楽略歴:トランペット10年、ピアノ2年 音楽やってる人を応援したい。

舞台に立つ本番といえば楽しみである一方で緊張もしてしまいますね。

もちろん楽器を始めてから数ある本番の中で毎回すべての本番でガッチガチになる、ということはないと思います。

調子のいい時もありーの、悪い時もありーので少しずつ改善され自分のスタイルが確立されていくものでしょう。

慣れてくればどうということはないと思いますが、まだまだ経験が浅い、ブランクがあるという方にはプレッシャーであるかもしれません。ソロがあれば尚更。。

この記事では緊張に関する理解を深め、緊張と上手に付き合う方法をご紹介します。

「緊張」って?本番とは切っても切り離せないもの

画面の前のあなたも「緊張」そのもの自体は今初めてその存在を知ったということはないと思います。

幼いころからお遊戯会での発表や好きな異性と話すとき、友人や家族に何かを打ち明けるときなど緊張している自分を感じる瞬間はあったでしょう。

でもそもそも緊張って何?まずはそれを今一度、再認識しましょう。

コトバンクより デジタル大辞泉の解説 きん‐ちょう〔‐チヤウ〕【緊張】 [名](スル) 1 心やからだが引き締まること。慣れない物事などに直面して、心が張りつめてからだがかたくなること。「緊張をほぐす」「緊張した面もち」 2 相互の関係が悪くなり、争いの起こりそうな状態であること。「緊張が高まる」「緊張する国際情勢」 3 生理学で、筋肉や腱(けん)が一定の収縮状態を持続していること。 4 心理学で、ある行動への準備や、これから起こる現象・状況などを待ち受ける心の状態。

本記事では2と3は省きます。1と4は吹奏楽に限らず文化系の発表ごとなどいろんなシーンによく当てはまる定義ですね。

ここで注目してほしいのが上記の「慣れない物事などに直面して」という文言です。

舞台で起こる緊張に関してはこの一言がよく表しています。なぜなら舞台上の本番とはまさに非日常のひと時だからです。

ですから「どうして緊張するの!?」と思っている人もこれは心や体の正常な反応なんですね。

ならば「どうすれば緊張しなくなるの?」という問いへの答えは簡単です。

場数を踏み、慣れることでしょう。

ただ、いくら慣れたとはいえ、大勢の目にさらされるというのはそれだけで緊張や興奮状態になるものです。

ですから、「緊張」というものは切り離せませんし、切り離さなくていいものなんです。

ここまで分かれば「緊張」をコントロール出来たらもっといい演奏ができるのでは?悔いのない振る舞いを舞台上でできるのでは?という想いが湧いてきますね。

次は、緊張するときとしないときの違いやどんな条件がそろえば負の緊張が発動するのか?をご紹介ます。

緊張するとき/しないときの違い 緊張の条件

演奏に支障をきたすような緊張をしてしまうとき、緊張をしてはいるものの演奏に支障をきたすどころかいつもより洗練されるケースにはどんな違いがあるでしょうか。

やはり環境やその日のコンディションそのものよりも精神面に起因することが多い、というのが経験則からの体感です。

本番までに練習が足りなかったという自覚や当日を迎えてもなお十分に演奏できない部分があるときはいまひとつ"のれない"感覚はあります。本番に対する姿勢が下からになってるときですね。

逆にとても調子よく演奏できるときというのはかなり強気でいるときが多いです。

「私の演奏を聴け!」くらいに思っていますし、そういう風に感じるようになれたのはある程度上達してからでした。

ですので、上達するにつれ緊張の度合いはだんだんとマシになってくるのでしょう。

それは演奏技術の向上はもちろんですが、場数を踏むということも重なるので、やればやるほど、積めば積むほど演奏が楽しくなります。

上記のような、経験が緊張に大きく作用しているのは割と普遍的かと思いますが、メンタルにしろフィジカルにしろ緊張がどのような影響を自身に与えるかは人それぞれの部分が大きいです。

"緊張"は個人差の大きいものですので、○○だったら緊張している、○○をすれば楽になる、ということが一概には言えません。

ただ、それでもタイプや傾向というものはあるでしょう。自分と同じような人がいると知れると安心ですよね!というわけで、アンケートを取ってみました。

自分と似たような意見を見つけて安心しよう!

吹奏楽経験者に"緊張"に関するアンケートを実施した

というわけで、私の大好きなクラウドワークスを利用しまして、吹奏楽経験者20名に聞いてみました。

まずは緊張し始めるタイミングです。

Q.本番前の緊張はいつから起こる?

  • 1位(5票)前日の夜から
  • 1位(5票)舞台袖から
  • 1位(5票)本番直前(舞台袖から舞台に上がった以降)
  • 4位(4票)本番の日の朝から
  • 5位(2票)リハーサルから
  • 6位(1票)楽屋から出たときから
  • 6位(1票)本番の一週間前から

という結果でした。

まずまず納得の結果ですが、やはり微妙に個人差があるものですね。 また、本番でソロがあるかないかが緊張の度合いを左右するという意見もありました。

お次は緊張による症状です。

Q.緊張はどんな症状となってあらわれる?

  • 1位(10票)心臓がドキドキする
  • 2位(8票) 手や指、足が震える
  • 3位(6票) 手汗をかく、手先が冷たくなる
  • 4位(5票) 「失敗したらどうしよう」などあれこれ考えてしまう
  • 5位(3票) 頭が真っ白になる
  • 5位(3票) お腹/胃が痛くなる、食欲不振
  • 7位(2票) 口の中がカラカラになる
  • 7位(2票) トイレにいきたくなる
  • 7位(2票) 顔が熱くなる、頭が火照る
  • 7位(2票) 吐き気をもよおす
  • 10位(1票) 唇・声が震える
  • 10位(1票) 顔(表情)が硬直する
  • 10位(1票) 唾液が普段よりたくさん出る
  • 10位(1票) 息が満足に吸えなくなる
  • 10位(1票) 下半身がヒヤッとする
  • 10位(1票) 血の気が引く感覚
  • 10位(1票) 目がパチパチする、ドライアイのような症状
  • 10位(1票) いつもより周りの音が聞こえにくい感覚になる
  • 10位(1票) 耳が敏感になり、いろんな音が聞こえる

一人でもいろんな症状が出るようです。 やはり緊張時特有のあの胸のドキドキは多くの人が感じているようですね。

また、2位に「手や指、足が震える」というものがありますが、「指」に関して言及したのは木管の方だけでした。確かに金管の人は指のこわ張りはあまり意識しないように思います。

口の中がカラカラになるというのは私も大いに共感するところですが、中には「逆に唾液がたくさん出る」という方もおり大変興味深かったです。

ちなみにその唾液の方はフルートだそうで以下のように大変らしいです。

30代 女性 フルート歴26年 緊張すると、口の中が乾燥する人が多い中、私は逆に唾液がたくさん出てきます。
フルートなので、口からあふれそうになるので、休符やブレスとるタイミングで必死に飲み込みます。

最後に対処法について聴いてみました。

Q.緊張による症状に対して実践していることはある?

  • 1位(11票)深呼吸をする
  • 2位(5票) 自分に大丈夫と言い聞かせる
  • 3位(3票) 仲間と声を掛け合う
  • 3位(3票) 笑うように意識する。笑顔をつくる
  • 5位(2票) これまでの練習を思い返す
  • 5位(2票) 本番前から生活を整える。二度寝はしない。消化のいいものを食べる
  • 7位(1票) なにか飲む
  • 7位(1票) 楽器を温める(息を入れる)
  • 7位(1票) ホールの床や壁を触る
  • 7位(1票) 唾液が出やすい食べ物は控える
  • 7位(1票) マスクをして口を乾かないようにする
  • 7位(1票) ストレッチ
  • 7位(1票) 楽譜の最終確認
  • 7位(1票) 楽器を磨く
  • 7位(1票) 客を動物だと思うようにする
  • 7位(1票) 好きな音楽を聴いて集中力を高める

深呼吸はやはり人気ですね。というか実際効果のあるものなんだと思います。ヨガやエクササイズでも取り入れられてますしね。

すでに実践されているものや試したくなったものなど、いろいろあったと思います。

少しでも舞台から放つ演奏が輝きを増すように参考にしてください。

「生活を整える」や「音楽を聴く」はアスリートみたいな行いですし、よりシビアに自分を管理し、高めていくことが本番でしか出せない魅力的な演奏に繋げる秘訣なのかもしれません。

ところで、ひとつ「ん?」というのありませんか?

ホールの床や壁を触る

これ、正直私は一番痺れました。この行為の動機にはこの人物の優しさや誠実さ、練習に対するひたむきさや本番の舞台に対する真剣さがよく表れていると思います。あと、少し可愛いな、とも思いました。

20代 男性 クラリネット歴9年 リハーサルでホールに入った際に、ホールの床とか壁を触る。ホールと友達になれるように意識する。

ホ、ホールとお友達・・・!!・・・いい!

緊張との上手な付き合い方・向き合い方

"緊張"という自分の中に時折顔を出す得体のしれないものに対して、なんとなくでも分かったと思います。

他人の症状や対処法を知ることで不安が緩和された部分もいくらかあるのではないでしょうか。

特に楽器を初めて浅いころは「緊張」というのはできればしたくないものですよね。ただでさえ拙い演奏がもっと拙くなりますから。 ですが、練習・本番を重ねるにつれ、徐々に緊張が快感に変わっていくのが分かるようになります。なぜだと思います?

緊張はより素晴らしい演奏をするためのエッセンスになるからです。 緊張が己を奮い立たせ、鼓舞してくれる。経験を積んでいくとそんな境地に立つようになります。

いい舞台というのは楽しさしかないんですよ。一点の曇りもない、不安や懸念が入り込む隙なんて寸分もない。

だから自分から追い出してはいけません。緊張してるあなたもまたあなたなんです。

本番の時間は最高の舞台で、最高の自分に出会えるチャンスです。

あの快感を知ってしまったら舞台に立つことはやめられませんね!いろいろ葛藤がありながらも長年続けている人がいるのはあの快感に魅せられてしまったからだと思います。

どんなに対策をしても緊張するときはします。その一方でアンケートには演奏が始まってしまえば案外大丈夫という意見もありました。

自分の想い通りにいかないうちはヤキモキしますが、どうかいろんな自分に出会える機会、普段の練習の節目や区切りとなる大切なタイミングだと思って真摯に向き合ってもらえたらと思います。

不安なときは舞台と仲良しになりましょう。

舞台が背中を押してくれ、ホールが見守っててくれます☆

おわりに

緊張について、今まさに困っている人が少しでも楽になるようにとつらつらと書いてみました。

誰もが通る道ですが、不特定多数の人に注目されるという機会は吹奏楽の本番以外にも人生で何度かやってきます。

とにかく慣れて一つ一つの舞台が素敵な思い出になるように数をこなしてください。

ありがとうございました。

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