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トロンボーンの基礎練習のやり方・メニュー

書いた人:ryonotori
中学・高校と吹奏楽に明け暮れていました。
今はサルサやジャズを中心に演奏したり、編曲や楽譜制作などをやっています。
たまに吹奏楽オリジナル曲を探すのも好きです。
トロンボーンの持ち味の1つは、きれいなハーモニーです。

きれいなハーモニーを作るためには、ひとりひとりが安定した音を出すことが重要です。

そのためには基礎練習が欠かせません。ですが、何も考えずにただ音を出すだけでは、むしろ上達の妨げになってしまいます。

この記事では、練習の各メニューを、気をつけるべきポイントと一緒に紹介していきます。

普段の練習の参考にしてみてください。

1.そもそも、なぜ基礎練習が必要なのか?

基礎練習は、一見すると単調なパターンの繰り返しに見えます。

基礎練習よりも曲の練習を重点的にやった方が上達できる、と思うかもしれません。

しかし、曲のフレーズを分解して、1音や数音の単位で見てみましょう。

すると、結局すべての音は(長さの違う)ロングトーンの集合や、違う音が連なるタンギングの集合と捉えることができます。

つまり、基礎練習をしっかりやっておけば、フレーズのパーツを磨いておけば、フレーズ全体をうまく演奏できるようになります。

また、フレーズのパーツを練習しておくことにより、そのパーツを意識せず自然に演奏できるようになります。

そうすると、フレーズの表現に意識を向けることができるようになります。

フレーズを漠然と練習していても、なかなか自然に演奏できるようにはならないでしょう。

2.ウォームアップ

楽器を組み立てたら、まずは唇や身体を演奏に慣らしましょう。
ここでは軽く音を出しながら、呼吸を整えていきます。

呼吸を整える

まずは楽器を構えずに、息を吸って吐きます。

息を吸う際、「たくさん」よりも「深く」というイメージを持つとリラックスできる場合が多いです。

吸うとき・吐くときのどちらも、空気が身体の中を気持ちよく流れているかを確認してください。

もしこの時点で身体に力が入っているなどの違和感があれば、軽くストレッチをするなどして、心身を落ち着けましょう。

音出し

息を整えたら、次は楽器で音を出してみます。

まずは低い音、たとえば五線下から2本目のシ♭(B♭)(以降「下のシ♭(B♭)」と表記)を出します。
音量は小さくて構いませんが、息を丁寧に流しましょう。

ここで唇ばかりを意識してしまうと、身体に力が入ります。

あくまで息の流れが主役で、唇は息の流れによって振動させられる、というイメージで音を出してみましょう。

また、音が楽器や周りだけでなく、自分の身体にも響いているとイメージしてみてください。

もし出せる方は、ペダルトーン(さらに1オクターブ下の音域)で呼吸や音を整えてみましょう。
基本的には低音域で音出しをするのが良いですが、やり方は他にもあるでしょう。

自分なりの音の整え方を探してみるのも良いでしょう。

3.ロングトーン

ロングトーンは、ひとつの音を長く伸ばす練習です。

この練習には、息を安定させたり、音色を良くする効果があります。

ただし、特にロングトーンはイメージが重要です。単に音を伸ばすことばかりを意識してしまうと、身体に力を入れる癖がついてしまいます。

重要なのは、呼吸を整えることと、自分が思う理想の音色をイメージすることです。
ウォームアップと同じように、息の流れをしっかりと意識しましょう。

同じ音を繰り返す

まずは、下のシ♭(B♭)をテンポ60で8拍伸ばします。

音量はやや大きめ、mfくらいです。
無理な力を入れずに息を流せているか、音が周りや自分の身体に響いているかを確認してください。

8拍伸ばして8拍休み、を何度か繰り返して、息の流れが安定しているかを確認しましょう。
もし身体に力が入ってきたと感じたら、いったん休んで心を落ち着けてください。

音階で練習する

何度か繰り返した後は、音階で練習しましょう。

例として変ロ長調(B♭ major)の音階を使います。

同じ音を繰り返す場合と同じく、8拍伸ばして8拍休みとします。

五線の下から2本目のシ♭(B♭)から始めて、

シ♭(B♭)→ド(C)→レ(D)→ミ♭(E♭)→ファ(F)→ソ(G)→ラ(A)→シ♭(B♭)

と音を上げていきましょう。

上がりきったら、逆にチューニングのシ♭(B♭)から下のシ♭(B♭)まで降りていきます。

それぞれの音で、身体に無理な力が入っていないか、音が周りや身体に響いているかを確認してください。

まずは、上記の練習で安定して音を出せるようにしましょう。

これだけでも、かなりの効果が出ます。

他にも、音量や音の長さを変えてみたり、クレッシェンド/デクレッシェンドをかけてみたりと、練習のバリエーションは色々あります。皆さん自身で色々試してみてください。

4.リップスラー

リップスラーは、同じポジション上で、タンギングなしで音を滑らかに移動する練習です。

リップスラーをすると、音を滑らかにつなげるための口の柔軟性を身につけることができます。

また、音が跳躍しても無理のない呼吸を保てるようになり、自然な奏法が身につきます。

リップスラーの効果はとても大きいです。しかし、注意して練習しないと、奏法が崩れてしまう危険もあります。

大事なのは、ひとつひとつの音を丁寧に出すことです。すべての音はロングトーンだと考えて、響く音を丁寧に出しましょう。

最初はゆっくりのテンポから始めましょう。4分音符で60くらい()を目安にします。

まずは1ポジションからです。

中音域のファ(F)の音を1拍伸ばし、そのままタンギングせずに下のシ♭(B♭)に移り、1拍伸ばします。

その後にまたファ(F)に戻る、というように、ファ(F)とシ♭(B♭)の移動を繰り返してください。
このとき、音の間が滑らかにつながっていることを確認します。

また、ロングトーンのときと同じ呼吸や奏法を保てているかどうか確認しましょう。

もしどうしても力が入ってしまう場合は、何度か下のシ♭(B♭)だけを出してみて、ロングトーンの感覚を思い出しましょう。

8拍(合計4往復)続けたら、2ポジションに移動して、中音域のミ(E)と下のラ(A)を同じように往復します。
8拍続けたら、今度は3ポジションで...という要領で、7ポジションまで1つずつ下げて、同じことを繰り返してください。

音が滑らかにつながること、呼吸や音がロングトーンと同じように安定することを意識しましょう。

7ポジションまで終わったら、1ポジションに戻ります。

往復する音を1つ上げて、チューニングのシ♭(B♭)と中音域のファ(F)に変えます。

そして、先ほどと同じように8拍ずつ7ポジションまで練習しましょう。

この要領で往復する音を上げていって、自分が安定して出せる最も高い音まで練習します。

無理やり出る音の一歩手前で止めましょう。そうしないと、身体に力が入ってしまいます。

他にも、往復する音の間を大きくしたり(たとえばチューニングのシ♭(B♭)と下のシ♭(B♭))、テンポや拍の長さを調整したりと、練習のバリエーションを作ることができます。

先述の練習を安定して通せるようになったら、自分で色々工夫してみてください。

5.タンギング

タンギングの練習は、連続した音の粒を揃えたり、音のアタックを整えるために重要です。

ただし、焦ってタンギングのスピードを求めようとすると、すぐにのどに力が入ってしまいます。

落ち着いて練習していきましょう。

同じ音を繰り返す

まず、テンポを16分音符を余裕を持って演奏できる速さに設定します。

そのテンポで、下のシ♭(B♭)を4拍ずつ、4分音符→8分音符→3連符→16分音符とタンギングしてください。
余裕を持てるテンポだからこそ、音の粒が揃っているか、アタックはきれいにまとまっているか、身体に力が入っていないかをよく確認しましょう。

ひと通り終わったら、少しずつテンポを上げながら同じ練習を繰り返していきます。

音を変えて練習する

タンギングは同じ音だけではなく、違う音での練習もしましょう。

たとえば下のシ♭(B♭)と中音域のファ(F)を8分音符で交互に行き来してみます。
このとき、すべての音のアタックが揃っているか確認しましょう。

8拍続けたら、下のシ♭(B♭)は変えず、上の音だけを半音下のミ(E)に変えて、同じ練習をします。
この要領で上の音を半音ずつ下げていき、同じようにタンギングを練習します。

ひと通り終わったら、たとえば下の音を中音域のファ(F)、上の音をチューニングのシ♭(B♭)に変えてまったく同じ練習をするのも良いです。
また、変ロ長調(B♭ major)などの音階を8分音符で上がって下がる、などの練習も有効です。
自分でメニューを選んで練習してください。ただし、無理にテンポを上げないようにして、力を入れる癖がつくのを避けましょう。

6.基礎練習にかける時間

基礎練習は、曲の練習や合奏の前のウォームアップではありません。

意識して、基礎練習の時間を確保しましょう。

時間がある場合

基礎練習にはなるべく時間をかけることをおすすめします。

最低でも30分は基礎練習に使いたいところです。

しっかりパターンを考えた上で練習すれば、仮に練習時間のうち半分以上を基礎練習に充てても、曲の練習に支障は出ないと思います。

時間がない場合

練習時間をとれない場合でも、曲を演奏する前に最低限、呼吸と身体を整えましょう。

具体的には、

(1) ウォームアップを省略せず行ってください。
(2) ロングトーンを音階で最低1本行います。
(3) リップスラーを、無理せず出せる範囲で低音域から高音域まで行ってください。本当に時間がなければ、低音域だけでも構いません。

これで合計10分くらいに収まるでしょう。

ただし、これはあくまで最低限です。応急処置のようなものと考えてください。

できる限り基礎練習の時間を確保しましょう。

7.おわりに

基礎練習では、身体や音へ注意を向けることがとても大事です。

それさえ守れていれば、簡単なパターンの練習だけでも大きな効果が出ます。

悩むこともあると思いますが、気持ちよく演奏できるように、地道に練習を積み重ねていきましょう。
書いた人:ryonotori
中学・高校と吹奏楽に明け暮れていました。
今はサルサやジャズを中心に演奏したり、編曲や楽譜制作などをやっています。
たまに吹奏楽オリジナル曲を探すのも好きです。

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